アフリカからの人の受け入れ。ほんとに大丈夫?〜JICAホームタウン認定が問いかける日本の国際協力〜

外国人の問題
アフリカホームタウンに認定された4市
  1. アフリカの治安が悪いことは確かですが、少し冷静になって考えてみましょう。
    1. 永住は可能なのか不可能なのかはっきりして
    2. 2. では絶対に永住はできないの?
  2. 「JICAアフリカ・ホームタウン」のおさらい
  3. 本当に受け入れて大丈夫なの?
  4. ナイジエリアと千葉県木更津市
    1. ナイジェリアってどんな国?
      1. ※補足:ロマンス詐欺とは
    2. ナイジェリアの治安の現状
    3. 千葉県・木更津市の考え
  5. モザンビーク共和国と愛媛県今治市
    1. モザンビークってどんな国?
    2. モザンビーク共和国の治安の現状
    3. 愛媛県・今治市とモザンビーク共和国の取り組み
  6. ガーナ共和国と新潟県三条市
    1. ガーナってどんな国?
    2. ガーナ共和国の治安の現状
    3. 新潟県三条市とガーナ共和国の取り組み
  7. タンザニアと山形県長井市
    1. タンザニアってどんな国?
    2. タンザニア連合共和国の治安の現状
    3. 山形県・長井市とタンザニア連合共和国の取り組み
  8. 各政党はJICAアフリカ・ホームタウン事業をどう見ている?
      1. 自由民主党(自民党:保守、中道右派 左傾傾向)
      2. 立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)
      3. 日本維新の会(保守、右派、リベラル)
      4. 公明党(中道、保守)
      5. 国民民主党(中道、保守、リベラル)
      6. 日本共産党(革新、左派)
      7. 参政党(保守、右派)
      8. れいわ新選組(革新、左派)
      9. 日本保守党(保守、右派)
  9. まとめ: 海外との人材交流について考えてみよう

アフリカの治安が悪いことは確かですが、少し冷静になって考えてみましょう。

国際協力機構(JICA)は、アフリカの4つの国とパートナーシップを結んだ日本の自治体を「JICAアフリカ・ホームタウン」として認定しました。しかし、その中には外務省から「渡航をやめてください」という警告が出されているほど治安が不安定な国が含まれています。

なぜ治安に不安がある国と、日本は交流を深めようとしているのかという意見はありつつ、アフリカの国々が直面する人口増や貧困の課題を、日本で技術を身につけて帰国した人がその国の役にたつ人になるようにという支援と、日本の人手不足解消にあてようという政策です。

「特別なビザ(日本に永住できる)が出る」などの誤った情報が先方から出されるなどで、それが取り消されたあとも、国内では「政府は何か隠そうとしている」「本当はそういう話があるのではないか」「移民を増やすな」「危険な国から人を呼ぶな」などの批判や、不安に思った住民からの役所への問い合わせが数千件にのぼるなどで、まだ混乱は収まっていません。

永住は可能なのか不可能なのかはっきりして

今回、「治安の悪いアフリカから移民が大量にやってくるのではないか」という不安が広がっていることが一番の問題ですので、まず、ここから押さえておきましょう。

JICAのホームタウン事業で日本に来る外国人材は、主に「技能実習生」や「特定技能外国人」という在留資格を利用します。

JICAや日本政府は、この事業で来日する外国人材がどのような在留資格を利用するかについて、明確な名称を挙げて公式に発表してはいません。しかし、彼らが繰り返し強調している事業の目的から、利用される在留資格は特定できます。

  • JICAが公表していること: この事業は、移民の受け入れや特別なビザの発給を行うものではないと公式に発表しています。あくまで、農業技術や産業技術などの「研修」や「交流」を目的としたものです。
  • 論理的に導き出される資格: 日本の現行の在留資格制度の中で、研修や技術習得、そして特定の産業分野での就労を目的とするものは、「技能実習」と「特定技能」に限られます。

したがって、政府やJICAは、直接的に「〇〇というビザを使います」とは言っていませんが、その事業の目的から、実質的にこれらの既存の在留資格が利用されるという理解が正確で、「特別な(永住)ビザ」が発行されるというのは明確に否定しています。

  • 技能実習制度:
    • 目的: 日本で技術を習得し、母国の経済発展に貢献してもらうことが目的です。
    • 期間: 最長で5年間の在留が認められています。期間が終了すれば、原則として帰国することになります。
  • 特定技能制度:
    • 目的: 労働力不足が深刻な分野で即戦力となる外国人材を受け入れることが目的です。
    • 期間: 特定技能1号の場合、在留期間は通算で最長5年間です。

2. では絶対に永住はできないの?

原則として、期間が過ぎれば帰国します。しかし、日本に長く滞在できる道も存在します。

  • 特定技能2号への移行:
    • 「特定技能1号」として5年間働いた後、熟練した技能を持つと認められれば、より高いレベルの在留資格である「特定技能2号」に移行できます。
    • 「特定技能2号」には在留期間の上限がなくなり、家族を日本に呼ぶことも可能になります。
    • これにより、事実上、永住は可能です

したがって、「永住ではない」という基本原則はありますが、制度をうまく活用すれば、日本に長く滞在することも可能になるというのが、より正確な理解となります。

これは、ホームタウン制度の問題ではなく、技能実習制度特定技能制度の問題ですので、「熟練した技能を持つと認める」基準などは別に議論する必要があります。

ただ、今回は少し冷静になって、4ヵ国がどういう国なのか、ホームタウンとなった4市はどう考えているのかを見ていきます。

「JICAアフリカ・ホームタウン」のおさらい

前回、『なぜ?知らない間に決まった「ホームタウン」』でも書きましたが、「JICAアフリカ・ホームタウン」とは、JICAが日本の自治体を、アフリカの国々と長期的な友好関係を築き、課題解決に向けた国際協力を行うための拠点として認定する制度です。この制度を通じて、日本の自治体は、彼らが抱える様々な問題(例:農業技術の向上、保健医療サービスの改善、教育の質の向上など)を解決できるように、人材育成や技術の提供といった様々な支援を行っていくとともに、日本の人手不足を解消することになっています。

本当に受け入れて大丈夫なの?

しかし、この「JICAアフリカ・ホームタウン」制度には、多くの不安や議論が生まれています。受け入れ先の自治体や住民からは、治安の不安定な国から人々を受け入れることへの懸念の声が上がっているのです。

特に問題視されているのが、外務省の海外安全情報でほとんどのすべての地域が
レベル4:退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)
レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください
レベル1:十分注意してください
とされている国々です。これらの国は、テロや犯罪が多発しており、一般市民が巻き込まれる危険性が高いとされています。

こういう国からの受け入れに対して、受け入れ側の知事や市長、そして住民はどのような考えを持っているのでしょうか。今回は、JICAアフリカ・ホームタウンに認定された4つの国と、それぞれの受け入れ側の日本の声に耳を傾けてみましょう。

ナイジエリアと千葉県木更津市

木更津市は、2021年の東京オリンピック・パラリンピックでナイジェリアのホストタウンを務め、その交流が今回のホームタウン認定につながりました。

木更津市の外国人住民比率は、総人口の約1.5%(2025年時点)と推計されています。外国人住民のうち、約7割が中国、韓国、ベトナムなどのアジア圏出身です。サービス業や製造業、建築業など幅広い分野で外国人労働者が働いています。

ナイジェリアってどんな国?

歴史と民族 アフリカ大陸で最も人口が多い国であり、その歴史は非常に多様です。かつてはハウサ王国、ヨルバ王国、ベニン王国など、多くの独立した王国が栄えていました。19世紀末にイギリスの植民地となり、1960年に独立。その後、民族間の対立から1967年から1970年にかけて激しい内戦(ビアフラ戦争)を経験し、不安定な軍事政権の時代が長く続きました。現在も、250以上の民族が共存しており、特にハウサ族、イボ族、ヨルバ族の3大民族が中心です。

文化と人柄 ナイジェリアの人々は、非常にエネルギッシュで社交的です。活気があり、ビジネスや交渉に長けています。しかし、経済格差が大きく、失業率も高いため、テロや強盗、誘拐といった犯罪が多発しています。人々の力強さや活気は、国の発展を支える一方で、治安の不安定さという現実と隣り合わせに存在します。また、ロマンス詐欺グループの活動拠点(詐欺師が多くいる国)としても知られます。

また、下記のように女性に対する暴力や性的暴行もひどい状態と言わざるを得ません。

ジェンダーに基づく暴力
北東部における反乱勢力の活動に伴い、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の発生率は天文学的な数字にまで増加しています。強制結婚や早婚から、女性に対する身体的、精神的、性的暴行に至るまで、ナイジェリア女性の3人に1人が15歳までに身体的暴力を経験しています(NDHS 2013)。

UNFPAの重点分野は、国および州レベルにおけるジェンダーに基づく暴力に関する政策環境の改善です。UNFPAは、虐待を受けた女性と少女のリハビリテーションと苦難の克服を支援するというコミットメントの一環として、様々なパートナーと協力し、被害者に対し医療、リプロダクティブ・ヘルス、そして/または心理社会的ケアを提供しています。(ナイジェリア人口保健調査(NDHS))

ソコトにおける女性と女児に対するジェンダーに基づく暴力と有害な慣習
ナイジェリアでは、女性に対する暴力は、家庭内暴力、言葉による虐待、身体的虐待、レイプや性的暴行、早期結婚や強制結婚、近親相姦、女性器切除、酸性浴、そして殺害など、様々な形で蔓延しています。女性は、公共の場でも私的な場でも、あらゆる形態の屈辱と剥奪に苦しみ続けています。

今すぐ行動を起こすことで、あらゆる形態のジェンダーに基づく暴力を終わらせることができます (UNFPAナイジェリア 2023年5月12日発行図書)

※補足:ロマンス詐欺とは

ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどで、偽りの恋愛感情を利用してお金をだまし取る詐欺です。手口は、あなたと親しくなり、「病気の治療費」や「日本に行くための費用」など、様々な理由をつけて送金を要求してきます。実際に会うことはなく、全てインターネット上のやり取りだけで完結するのが特徴です。

ナイジェリアの治安の現状

ナイジェリアはアフリカ最大の人口と経済規模を誇る国ですが、治安は極めて不安定です。外務省は、地域によって異なる複数の危険情報を発令しています。特に、北東部ではイスラム過激派組織によるテロや襲撃が、南部では身代金目的の誘拐や海賊行為が多発しています。

  • 北東部: ボルノ州、ヨベ州、アダマワ州などでは、イスラム過激派組織の「ボコ・ハラム」や「ISWAP(イスラム国西アフリカ州)」が活発に活動しており、軍との衝突や村落への襲撃を繰り返しています。この地域は「レベル4:退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)」とされています。
  • 南部: ニジェール・デルタ地域では、石油資源をめぐる対立から武装勢力による外国人や石油関連施設の襲撃、海賊行為が多発しています。この地域の沿岸部も「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が発令されています。
  • 中部: プラトー州やベンデウ州などでは、農耕民と遊牧民の土地をめぐる対立が武力衝突に発展し、多くの死傷者を出しています。
  • 全土: これらの特定の地域だけでなく、ナイジェリア全土でテロや誘拐事件が発生する可能性があり、また、強盗やカージャック(車両強盗)などの一般犯罪も多発しています。外国人や富裕層が標的になるケースが増加しています。

加えて、ナイジェリアでは通貨であるナイラの急激な下落や物価高騰が市民の不満を高め、抗議行動が頻繁に発生しています。これらの行動が暴動に発展することもあり、より一層治安が悪化する要因となっています。

千葉県・木更津市の考え

千葉県知事の熊谷俊人氏(立憲民主党・国民民主党・連合千葉が支持)は、この件について慎重な姿勢を示しています。「安全確保を最優先に、関係機関と連携して万全の対策を講じる」と述べており、受け入れに際しては、警察や入管当局と綿密に協力し、警備体制を強化する方針です。

木更津市長の渡辺芳邦氏(自民党推薦)は、歓迎する意向を強く示しています。「国際協力は、まちの国際化につながる」と語り、ナイジェリアとの技術交流や人材育成を進めていくことを明らかにしました。特に、ナイジェリアの石油・ガス産業に関連する技術者を受け入れる計画などが検討されています。

木更津市民の中には、治安悪化を懸念する声が上がっています。一方で、「交流を通じてお互いの文化を理解する良い機会だ」と、前向きに受け止める声も聞かれます。

  • 懸念・反対の声:
    • 「移民受け入れ」への誤解: 報道によると、ナイジェリア政府の発表内容が日本のメディアで誤って伝えられたり、SNS上で「特別ビザが発給され、移民が押し寄せてくる」といった誤情報が拡散されました。これにより、木更津市役所には1000件以上の問い合わせや抗議が殺到し、業務に支障をきたすほどでした。
    • 治安への不安: ナイジェリアの治安情勢に関する外務省の渡航情報が知られるにつれ、「治安が悪化するのではないか」「犯罪が増えるのではないか」といった漠然とした不安の声が上がりました。
  • 賛成・肯定的な声:
    • 国際交流への期待: 報道の中には、「グローバル化が進む中で、国を超えた交流は重要だ」と、事業の目的を理解し、前向きに捉える市民の声も含まれていました。
    • 地域活性化への期待: 交流を通じて、地域の活性化につながることを期待する意見も見られました。

結論として、木更津市への批判や抗議の多くは、「移民受け入れ」という誤解に基づいたものです。市やJICA、千葉県知事が繰り返し「移住や移民の受け入れではない」と否定声明を出していますが、市民の不安は完全に払拭されていません。歓迎する声がある一方で、誤情報が拡散されたことで市民の間に大きな混乱と懸念が広がったのが現状です。

モザンビーク共和国と愛媛県今治市

今治市とモザンビークは、特に海事産業を通じて関係を築いてきました。モザンビークの運輸通信大臣が今治市で開催された海事フォーラムを訪れるなど、造船技術や港湾管理の分野での交流が活発に行われています。

今治市の外国人住民比率は約2.9%です。特に、造船業ではフィリピンや中国、ベトナムからの技能実習生や特定技能外国人が多く働いており、重要な労働力となっています。ただし、2025年3月に今治造船が技能実習計画の認定を取り消され、今後5年間の実習生受け入れができなくなるという報道もあり、今後の外国人就労者の動向は不透明です。

モザンビークってどんな国?

  • 歴史と民族 かつてポルトガルの植民地で、独立後に長期にわたる内戦を経験しました。この内戦は、国民の生活と社会基盤に深い傷跡を残しました。現在は多民族国家で、ポルトガル語が公用語です。
  • 国民性 モザンビークの人々は、内戦という苦しい歴史を乗り越えてきたことから、忍耐強く、穏やかな性格と言われています。しかし、経済的な困窮や、北部における過激派組織の活動によって、テロや犯罪が絶えません。彼らの温和な人柄とは裏腹に、治安の不安定さが大きな問題となっています。

モザンビーク共和国の治安の現状

モザンビークの治安は地域によって大きく異なりますが、全体的に不安定な状況が続いています。

  • レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告) 北部(カボ・デルガド州など): 北部のカボ・デルガド州、ナンプラ州の一部地域は、外務省から「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が発令されています。この地域では、2017年からイスラム過激派組織による襲撃が激化しており、多くの民間人が犠牲になっています。これらの武装勢力は、地域で進められている大規模な天然ガス開発プロジェクトを標的にしており、事業の中断にも追い込まれています。
  • レベル1:十分注意してください 中部・南部(首都マプトなど): これは危険がないことを意味するわけではありません。都市部では、所得格差の拡大を背景に、強盗や誘拐、空き巣、車上荒らしなどの一般犯罪が多発しており、特に夜間の一人歩きは危険です。
  • 全土: 2024年10月の総選挙後、一部地域で選挙結果への抗議活動が発生し、暴徒化する事態も起きています。このように、政治的な状況が治安悪化につながるリスクも存在します。

モザンビークは観光資源も豊富ですが、渡航する際には最新の治安情報を確認し、危険な地域には絶対に近づかないようにすることが重要とされている地域です。

愛媛県・今治市とモザンビーク共和国の取り組み

愛媛県知事の中村時広氏(無所属、自民党が推薦)は、受け入れに積極的な姿勢を示しています。「県民の理解を得ながら、国際協力を推進する」と述べ、地域の活性化への期待を語っています。

今治市長の徳永繁樹氏(無所属)も、モザンビークとの交流を歓迎しています。「国際協力は、今治のまちづくりに貢献する」と、前向きな姿勢を明らかにしています。今治市は造船業が盛んなため、モザンビークからの技術研修生を受け入れ、造船技術や港湾管理のノウハウを教えることなどが検討されています。

今治市民からは「テロの危険性はないのか」といった不安の声も上がっています。一方で、「アフリカの人々を温かく迎えたい」といった声もあり、市民の間でも意見は分かれているようです。

  • 懸念・反対の声: 報道によると、モザンビーク北部のカボ・デルガド州で活動するイスラム過激派組織によるテロのニュースを知る市民からは、「テロの危険性はないのか」「治安は本当に大丈夫なのか」といった不安の声が聞かれます。また、他の自治体と同様に、SNS上で「移民が来る」といった誤った情報が広まったことで、同様の懸念が一部の市民の間で生じています。
  • 賛成・肯定的な声: 一方で、今治市が長年培ってきた造船技術を活かした国際協力には、前向きな声が多く寄せられています。市民からは、「自分たちの技術が世界の役に立つのは誇らしい」「交流を通じて、まちの国際化が進んでいくのが楽しみだ」といった期待の声が聞かれ、地域の産業が国際的な舞台で貢献することに意義を見出している市民も少なくありません。

結論として、今治市でも、治安への不安という現実的な懸念と、国際協力への貢献意識という前向きな感情が共存しています。市や関係機関は、正確な情報発信に努めながら、市民の理解を得るための努力を続けているのが現状です。

ガーナ共和国と新潟県三条市

三条市は、金属加工業を中心とする「ものづくりのまち」として知られ、ガーナとの産業技術交流が以前から行われてきました。JICAの農業視察団が三条市を訪れるなど、地域の協力隊がガーナで活動し、技術交流を深めています。

三条市の外国人住民比率は、総人口の1%未満と比較的低い水準です。しかし、金属加工業をはじめとする製造業では、ベトナムやインドネシアからの技能実習生が増加しており、地域産業の重要な担い手となっています。

ガーナってどんな国?

歴史と民族 サハラ以南のアフリカで最初に独立を果たした国で、比較的安定した民主政治を長く続けてきました。奴隷貿易の歴史があり、植民地時代の面影も残っています。穏やかな国民性で知られ、親日家も多いです。

国民性 ガーナの人々は、温厚で親しみやすい性格として知られており、外国人に対しても高いホスピタリティを発揮します。しかし、経済状況の悪化に伴い、スリやひったくりといった軽犯罪が増加傾向にあります。また、隣国で活発化するテロ活動の脅威も、完全には払拭できていません。彼らの穏やかな気質と、日々の生活の中で直面する現実的なリスクが共存しているのが現状です。ガーナもロマンス詐欺グループの拠点が多くあることで知られています。

ガーナ共和国の治安の現状

ガーナは、西アフリカの国々の中では比較的治安が安定しているとされています。しかし、リスクがないわけではなく、注意が必要です。

  • レベル2:不要不急の渡航は止めてください 首都アラクに隣接するブルキナファソやトーゴといった国々では、イスラム過激派組織によるテロ活動が活発化しており、ガーナ北部への脅威が懸念されています。
  • レベル1:十分注意してください: 首都アクラを含む国土の大部分は「レベル1:十分注意してください」としています。これは、大規模なテロ攻撃などがこれまで発生していないことに加え、比較的安定した政治状況が背景にあります。
  • 犯罪の傾向と注意点: 都市部では、経済状況の悪化に伴い、スリやひったくり、空き巣などの一般犯罪が増加傾向にあります。特に、観光客が狙われることが多いため、以下の点に注意が必要です。路上でスマートフォンや財布をひったくられる被害が報告されています。貴重品は道路と反対側の手で持つなど、防犯意識を高めることが大切です。外国人を狙った様々な詐欺が存在します。特に、SNSやメールを通じた投資話や恋愛詐欺には警戒が必要です。首都アクラやクマシなどの都市部では、夜間の一人歩きや、見知らぬ人からの誘いには応じないことが重要です。

ガーナは、経済発展と民主化が進む一方で、近隣国の情勢や国内の経済的課題が治安に影響を及ぼすリスクも抱えています。渡航する際には、常に最新の情報を確認し、安全対策を徹底することが求められます。とされている地域です。

新潟県三条市とガーナ共和国の取り組み

新潟県知事の花角英世氏(無所属、自民党、公明党が推薦)は、ガーナとの交流を積極的に進める考えです。「ガーナとの交流を機に、農業技術支援など地域経済の活性化を図りたい」と述べています。

三条市長の滝沢亮氏(無所属、連合新潟が推薦)は、交流を歓迎する姿勢です。「ものづくりのまち三条の技術を、ガーナの研修生に伝え、国際貢献したい」と語っています。三条市は古くから金物づくりが盛んで、ガーナの農業や産業に必要な道具や機械の製造技術を伝えることが期待されています。

三条市民は、ガーナの研修生を歓迎するムードが広がっています。「一緒に技術交流できることを楽しみにしている」といった声が多く聞かれます。拡散された「移民の受け入れ」という誤解に基づいて、三条市に約4,000件もの問い合わせがあったことが報じられていますが、必ずしもガーナとの交流そのものに反対しているわけではないようです。

  • 歓迎ムードの報道:
    • 2025年8月21日に開催された「JICAアフリカ・ホームタウンサミット」で、三条市とガーナの交流ビジョンが語られました。このイベントに参加した人々の中からは、交流を歓迎する声が聞かれ、その様子がメディアで報じられました。
    • 特に、三条市が長年取り組んできた金物づくりの技術をガーナの研修生に伝え、国際貢献することへの期待が報じられていました。
  • 批判や懸念の声の報道:
    • 「ホームタウン認定は移民受け入れにつながる」という誤った情報がSNSで拡散されたことで、三条市には電話やメールでおよそ4000件もの批判や問い合わせが殺到し、市役所の通常業務が困難になる事態となりました。
    • 市民からの声には「移民は断固反対」「全く知らされていない」といった抗議や疑問の声が多く含まれていました。

結論として、三条市への批判は「移民の受け入れ」という誤解に基づいたものであり、必ずしもガーナとの交流そのものに反対しているわけではないようです。しかし、報道は歓迎の声と同時に、誤解から生じた市民の大きな不安も伝えており、不安の払拭には時間がかかりそうです。

タンザニアと山形県長井市

長井市とタンザニアは、農業分野での協力を中心に関係を築いてきました。長井市が持つ稲作技術や米の加工技術をタンザニアに伝えるプロジェクトが計画されています。

長井市の外国人住民比率は、総人口の約1.3%です。長井市は農業分野での外国人材の受け入れに積極的な姿勢を示しており、今後の就労者増加が見込まれます。

タンザニアってどんな国?

歴史と民族 複数の植民地支配を経て独立し、タンガニーカとザンジバルの合併によって現在の形となりました。120以上の民族がいますが、共通語のスワヒリ語が広く使われており、民族間の融和が進んでいます。

国民性 「ポレポレ(ゆっくり)」という言葉に象徴されるように、人々は温和で協調性があり、人とのつながりを大切にします。しかし、経済格差や貧困を背景に、強盗やひったくりなどの一般犯罪が日常的に発生しています。また、一部の地域では武装勢力による襲撃の危険性もあります。温和な国民性と、治安の不安定さというギャップは、多くの訪問者を驚かせます。

タンザニア連合共和国の治安の現状

タンザニアの治安は、アフリカの中では比較的安定しているとされています。しかし、地域や状況によっては、注意が必要な場所や犯罪が多発する傾向があります。

  • 危険レベル3(渡航中止勧告): ブルンジとの国境付近にあるキゴマ州西部は、治安当局の管理が行き届かず、武装強盗が出没するため、渡航はどのような目的であれ止めるよう外務省から勧告が出ています。
  • 危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください): 隣国モザンビークとの国境に位置するムトワラ州では、モザンビークからイスラム過激派武装勢力が越境してくるリスクが依然として残っており、同様の襲撃事件が発生する可能性があるため、注意が必要です。
  • 危険レベル1(十分注意してください): 首都ダルエスサラームや観光地ザンジバル島などを含む大部分の地域は、このレベルに設定されています。これは、テロなどの大規模な脅威は少ないものの、一般犯罪に巻き込まれる可能性が常にあることを意味します。
  • 一般犯罪の傾向と注意点: タンザニアでは、経済状況を背景に、強盗、窃盗、ひったくり、空き巣などの一般犯罪が日常的に発生しています。特に観光客や外国人が狙われやすいため、以下の点に注意が必要です。首都ダルエスサラームや観光都市アルーシャでは、路上での強盗やひったくりが多発しています。夜間の一人歩きは特に危険です。偽警官や親しげに話しかけてくる見知らぬ人物による詐欺被害も報告されています。安易に信用したり、誘いに乗ったりしないことが重要です。夜間の外出は、強盗や暴力事件のリスクが非常に高まります。タクシーを利用する場合も、信頼できる業者を選ぶなど注意が必要です。

タンザニアは観光地として魅力的ですが、安全な旅行のためには、常に最新の治安情報を確認し、基本的な防犯対策を徹底することが不可欠です。とされている地域です。

山形県・長井市とタンザニア連合共和国の取り組み

山形県知事の吉村美栄子氏(無所属)は、タンザニアとの交流に期待を示しています。「タンザニアの研修生を温かく迎え入れ、農業分野での技術交流を深めたい」と語っています。

長井市長の内谷重治氏(無所属)も、交流を歓迎する姿勢です。「市民が一体となって、おもてなしの心で迎えたい」と述べています。長井市は稲作が盛んな地域であり、タンザニアの農業生産性向上に向けた稲作技術の指導や、農産物の加工技術に関する研修が行われる予定です。

長井市民は、タンザニアの研修生との交流を楽しみにしている声が多く聞かれるようです。

  • 賛成・肯定的な声
    • 交流への期待: 報道によると、長井市では市民団体が主体となり、タンザニアとの交流イベントを企画するなど、積極的に関わっています。「この機会にアフリカの文化を学んでみたい」といった声が多く聞かれ、交流そのものを楽しみにするムードが広がっていると伝えられています。
    • 技術協力への誇り: 長井市は稲作が盛んな地域であるため、市民からは「自分たちが培ってきた稲作技術が、タンザニアの人々の生活向上に役立つことが嬉しい」といった声が上がっており、地域資源を活かした国際貢献への誇りが感じられます。
  • 懸念・反対の声
    • 「移民受け入れ」の誤解: 他の自治体と同様に、長井市でもSNS上の誤情報により、市民から「移民が増えて治安が悪化するのではないか」といった不安の声や問い合わせが寄せられました。市は「移住・定住を目的とした受け入れではない」と説明を続けています。
    • 治安への不安: タンザニアが比較的安定しているとはいえ、アフリカの治安情勢全体への漠然とした不安から、この事業に対する慎重な意見も一部で見られます。

結論として、長井市では、市民が主体的に交流に関わろうとする前向きな動きが見られる一方で、外部から流入する情報によって、他の地域と同じような誤解や懸念も生じているのが現状です。

各政党はJICAアフリカ・ホームタウン事業をどう見ている?

各党の考え方や主張は最新の各政党ホームページの政策や公約、党首の発言、ニュース記事などを参考にしています。各政党の考え方を見て、自分の考え方に合う政党はどこかを選んでみましょう。

自由民主党(自民党:保守、中道右派 左傾傾向)

推進・賛成:自民党は、国際協力やODA(政府開発援助)を通じて、日本の国益を守り、国際社会での日本の役割を果たすことを重要視しています。JICAアフリカ・ホームタウン事業は、外交的な意義が大きいと考えており、政府と連携して円滑な受け入れを支援する方針です。一方で、国民の安全確保を最優先に、関係省庁と協力して警備体制を強化するとしています。

立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)

賛成:立憲民主党は、国際協力には賛成の立場です。しかし、治安が不安定な国からの受け入れについては、住民の安全を確保するための具体的な対策を政府に強く求めています。単なる開発支援にとどまらず、人権や貧困、紛争といった根本的な課題を解決するための国際協力も同時に進めるべきだと主張しています。

日本維新の会(保守、右派、リベラル)

慎重:日本維新の会は、JICAアフリカ・ホームタウン事業のような国際協力事業についても、費用対効果を厳しく検証すべきだと主張しています。事業の透明性を高め、税金が無駄に使われていないか、また、治安リスクに見合った十分な対策がとられているかを注視していく方針です。

公明党(中道、保守)

賛成:公明党は、「人間の安全保障」という理念に基づき、国際協力を通じて世界平和に貢献することを重要視しています。JICAアフリカ・ホームタウン事業は、その理念に沿ったものだと考えており、受け入れ側の自治体と連携し、技術協力や文化交流を円滑に進めるための支援を行う方針です。一方で、住民の安全確保にも最大限配慮すべきだと強調しています。

国民民主党(中道、保守、リベラル)

慎重・賛成:国民民主党は、国益を最優先に考え、国際協力を進めるべきだと主張しています。JICAアフリカ・ホームタウン事業については、日本経済への波及効果や、日本の国際的な地位向上に貢献するかどうかを判断基準としています。治安リスクについては、政府に厳格な入国審査と警備体制の強化を求めており、国民の不安解消に努めるべきだと主張しています。

日本共産党(革新、左派)

賛成:日本共産党は、国際協力には賛成の立場です。しかし、JICAアフリカ・ホームタウン事業が、一部の企業や利権に結びついていないかを厳しく監視する姿勢です。また、治安が不安定な国からの受け入れについては、人権問題への配慮や、難民・移民政策と関連付けて議論すべきだと主張しています。

参政党(保守、右派)

慎重・反対:参政党は、「日本の国益を最優先に」という立場から、JICAアフリカ・ホームタウン事業についても慎重な姿勢です。外国人を何の規制もなしに受け入れることの治安リスクや、受け入れにかかる費用が国民の税金に見合うものかを厳しく検証すべきだと主張しています。安易な国際協力ではなく、日本の文化や安全を守ることを第一に考えるべきだと訴えています。

れいわ新選組(革新、左派)

賛成:れいわ新選組は、JICAアフリカ・ホームタウン事業を「弱者」や「貧しい国」への支援という観点から捉えています。技術協力や交流を通じて彼らの自立を助け、貧困問題の解決にもつなげるべきだと主張しています。治安リスクについては、安全確保を政府に求めつつも、偏見を持たずに人々を受け入れるべきだと訴えています。

日本保守党(保守、右派)

慎重・反対:日本保守党は、日本の文化と安全を守ることを第一に考えています。海外からの人の受け入れについては、治安リスクや文化的背景の違いを十分に考慮すべきだと主張しています。JICAアフリカ・ホームタウン事業についても、日本の安全保障を脅かすことがないか、また、日本の伝統や文化に悪影響がないかを厳しく検証すべきだと考えています。

まとめ: 海外との人材交流について考えてみよう

政権与党や左派政党はJICAアフリカ・ホームタウン事業について、国際協力の一環として、日本の自治体がアフリカの国々と長期的な関係を築く良い機会だととらえています。しかし、治安が不安定な国からの受け入れには、多くの不安が残るのも事実です。自治体や住民の間でも、国際協力への期待と治安への懸念が入り混じっているのが現状です。

一方で、参政党、日本保守党などの保守政党は、まず受け入れのルールを厳格に決めることが先決で、受け入れありきではクルド人問題のようなさまざまな問題が必ず生じると懸念をしています。

この問題は、単に「受け入れるか、受け入れないか」という二者択一ではありません。

それは、以下のような問いかけを私たちに投げかけています。

「国際社会での日本の役割とは何でしょうか?」 「外国からの人々をどう受け入れ、共生していくべきでしょうか?」 「安全を確保するために、私たちはどのような協力と監視をすべきでしょうか?」

政治は、こうした複雑な問題を解決するためにあります。皆さんの住む自治体の代表は、この問題に対してどのような考えを持っているでしょうか。そして、皆さんはこの問題にどう向き合いますか。

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