コロナワクチンって、ホントのところどうだったの?

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このワクチンは感染防止効果は残念ながらあまりよくない。我々もがっかりしました。ところが、重症化予防効果、特に高齢者における、これは間違いなくある。(元新型コロナウイルス感染症対策分科会会長 尾身茂氏 2025年6月8日 「そこまでいって委員会NP」より

ワクチンの効果とリスク、そして今後の議論

新型コロナウイルスが流行したとき、私たちはワクチンという大きな希望を手に入れました。しかし、時間が経つにつれて「ワクチンは本当に効果があったの?」という声や、体調不良に苦しむ人々がいるという声も聞こえてくるようになりました。今回は、コロナワクチンをめぐるさまざまな議論について、やさしく見ていきます。


コロナワクチンの功罪

コロナワクチンは、感染症の流行を止めることや、感染しても重い病気になるのを防ぐために開発されました。これについては、意見が分かれています。

効果があったとする見解

ワクチンが重症化(じゅうしょうか)や死亡を減らす役割を果たしたというデータは、世界中で多数報告されています。例えば、厚生労働省や国立感染症研究所のデータ分析によると、ワクチン未接種者に比べて3回目の接種を完了した人は、死亡リスクが8分の1から10分の1に減少したとされています。また、初期のデルタ株流行期では、ワクチン未接種者に比べて2回接種した人の重症化リスクが90%以上減少したという報告があります。

G20などの多くの国や世界保健機関(WHO)も、ワクチンの有効性を高く評価しています。ワクチンの普及により、各国で医療機関の負担が軽減され、ロックダウンなどの厳しい行動制限を緩和することが可能になりました。

効果がなかったとする見解と反対意見

一方で、ワクチンの効果は限定的だったという意見もあります。新型コロナウイルス対策分科会の会長を務めていた尾身茂氏(おみしげるし)も、2024年に「感染拡大期においては、感染を抑える効果は、ほとんどなかった」という発言をしました。この発言は、感染力が非常に強いオミクロン株が流行していた時期、具体的には2021年の後半から2022年にかけての「第6波」「第7波」と呼ばれる流行の波について言及したものです。重症化予防の効果は認めています。

また、ワクチンの安全性や長期的な影響に疑問を投げかける研究者や医師もいます。彼らは、mRNAワクチンという新しい技術の長期的な安全性データがまだ不十分であることや、副反応として報告された心筋炎(しんきんえん)や心膜炎(しんまくえん)などのリスクを指摘しています。これらの懸念は、公的機関の主流な見解とは異なりますが、今後の研究で検証されるべき重要な課題として、議論されています。


ワクチン接種による後遺症と立憲民主党 原口議員の指摘

新型コロナウイルスのワクチンを接種した後、長期間にわたって体調不良が続く「ワクチン後遺症」に苦しむ人々がいます。頭痛や倦怠感(けんたいかん)、めまい、しびれ、神経系の異常などの症状が報告されており、その人たちの生活を脅かしています。日本だけでなく、世界中でこの問題が認識されており、アメリカの国立衛生研究所(NIH)をはじめとする研究機関が、その原因や治療法について、研究を進めています。

こうした状況に対し、原口一博衆議院議員は、国会で政府のワクチン政策を強く批判しました。

原口議員は、2024年の死亡者数が約165万人に上り、過去に例を見ない超過死亡(平年より多く亡くなった人の数)になっていることを指摘しました。また、2025年の最新の死亡統計についても言及し、ワクチンとの因果関係を徹底的に調べるべきだと主張しました。この指摘は、科学的な検証が求められる重要な論点として、現在も議論が続いています。


主要な海外諸国の検証結果

各国でも、それぞれの公的機関がワクチンの効果と安全性について、独自の検証を行ってきました。

アメリカ

アメリカ疾病対策センター(CDC)は、ワクチンが重症化や入院を90%以上防ぐ効果があったと発表しています。しかし、国内ではオミクロン株の流行以降、ワクチンの感染予防効果が時間とともに急激に低下したことがデータで示されました。2回接種から5か月ほどで感染予防効果が10%程度にまで下がったという研究もあり、一部の専門家は追加接種の必要性に疑問を投げかけるなど、議論は複雑なものになりました。

また、CDCは、mRNAワクチン接種後に稀に発生する心筋炎や心膜炎について、特に若い男性でリスクが高まることを認め、その発生率などを公表しています。副反応報告システム(VAERS)には多数の報告が寄せられ、その分析が進められました。

イギリス

イギリス医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は、ワクチンの有効性と安全性を継続的に監視しています。アストラゼネカ社製ワクチンと稀な血栓症(けっせんしょう)の関連性が指摘された際は、特定の年齢層への接種を推奨しないなどの対応を取りました。しかし、副反応の発生率は非常に低く、ワクチンが重症化や死亡を減らす効果はそれを上回ると結論付けています。 一方で、政府の厳しい行動制限やワクチンパスポート制度に反対する意見も強く、市民の間ではワクチンの義務化や効果に対する様々な議論が交わされました。

フランス

フランスの保健当局は、ワクチン接種が重症化や入院を大幅に減らし、医療システムを守る上で不可欠だったと評価しています。しかし、政府が導入したワクチン接種証明を必須とする健康パス制度に対しては、個人の自由を制限するものだとして、大規模な反対デモが何度も起こりました。

また、フランスでもワクチン接種後の副反応は報告されており、心筋炎や神経系の異常など、疑いのある事例を監視するシステムが導入されています。政府は、ワクチン後遺症に苦しむ人々への支援も議論し、医療機関と連携して対応しています。

ドイツ

ドイツのポール・エールリヒ研究所(PEI)は、ワクチンの有効性と安全性について詳細なデータを公開しています。ワクチンは重症化予防に極めて有効であると結論付ける一方で、心筋炎や心膜炎、稀な血栓症などの副反応についても報告し、国民への説明を重視してきました。

一方、ドイツでも「Querdenken(クアデンケン)」と呼ばれる反ワクチン・反ロックダウン運動が活発に行われ、政府の対策は個人の自由を不当に制限するものだとして、大規模な抗議活動が起こりました。

その他の国

カナダ、オーストラリア、韓国、イタリア、メキシコ、ブラジルなど多くの国も、それぞれの保健当局がワクチンの有効性を高く評価しています。特に、高齢者や基礎疾患を持つ人々に対して、重症化や死亡を防ぐ上でワクチンが重要であったという見解で一致しています。


日本の各政党はコロナ対策やワクチンをどう評価している?

日本の主要な政党は、コロナワクチンや今後の感染症対策についてどのような考えを持っているのでしょうか。各政党の方針については、各政党ホームページの政策や公約、党首の発言などを参考にしています。

  • 自由民主党(自民党:保守、中道右派、左傾傾向) 自民党は、コロナワクチンの開発や供給を積極的に進め、感染拡大防止に貢献したと評価しています。今後の感染症対策では、ワクチンの研究開発をさらに強化し、医療提供体制を整備するべきだと主張しています。
  • 立憲民主党(革新、中道左派、リベラル) 立憲民主党は、政府のコロナ対策、特にワクチンの有効性や安全性に関する情報の公開が不十分だったと指摘しています。今後は、国民の声をしっかりと聞き、透明性の高い情報公開と、ワクチン後遺症に苦しむ人々への公的支援を求めるべきだと主張しています。
  • 日本維新の会(保守、右派、リベラル) 日本維新の会は、科学的根拠に基づいた政策立案の重要性を訴え、ワクチンの安全性に関する情報公開を徹底すべきだと考えています。また、緊急時の迅速な対応ができるよう、法整備を進めるべきだと主張しています。
  • 公明党(中道、保守) 公明党は、ワクチンの円滑な接種体制を構築するために、自治体と連携して尽力したと評価しています。今後の感染症対策では、国民の不安に寄り添い、丁寧な情報発信を行うべきだと考えています。
  • 国民民主党(中道、保守、リベラル) 国民民主党は、政府のワクチン政策について、有効性と安全性の両面から検証を行い、国民への丁寧な説明を求めるべきだと主張しています。また、将来の感染症に備えた医療体制の強化が必要だという立場です。
  • 日本共産党(革新、左派) 日本共産党は、ワクチンの安全性に関する国民の不安に向き合い、専門家の意見を尊重した対策を主張しています。医療現場の人手不足解消や、公的医療機関の強化を訴えています。
  • 参政党(保守、右派) 参政党は、政府が国民にワクチン接種を強く推奨したことに対し、疑問を呈しています。ワクチンの安全性について再検証を行い、国民が自ら選択できる環境を整えるべきだと考えています。
  • れいわ新選組(革新、左派) れいわ新選組は、ワクチン後遺症に苦しむ人々への公的支援を強く求めています。ワクチンの安全性に関する情報が不透明であるとして、徹底的な情報公開を主張しています。
  • 日本保守党(保守、右派) 日本保守党は、政府のコロナワクチン政策を厳しく批判しています。ワクチンの安全性について、国が責任を持って検証し、国民に真実を伝えるべきだと主張しています。

まとめ

コロナワクチンは、パンデミックという未曾有の事態において、短期間で開発され、私たちに届けられました。その結果、多くの命が救われたという側面がある一方で、ワクチン後遺症に苦しむ人たちもいるという現実もあります。

ワクチンをめぐる議論は、単に過去の出来事ではなく、これからの医療や政治のあり方を考える上でとても重要なものです。政府が国民に何を伝え、国民がどのように判断するのか、そして、国会での指摘や議論は、今後の私たちの生活に直接関わってきます。

あなたなら、未来のパンデミックに備えるため、どんな感染症対策が必要だと思いますか?

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