レジ袋有料化や紙ストローは、本当にエコな選択だったのか?

環境の問題
「マンガでわかる環境問題」をモットーに、マンガ形式でわかりやすく環境問題・SDGsについて解説するサイト【漫環.jp man-kan.jp】さんのイラスト。すばらしい!!

環境のために始まった、私たちの暮らしの変化

皆さんは、コンビニやスーパーで買い物をする時に、マイバッグを使うことが当たり前になりましたか? そして、カフェで飲み物を注文すると、プラスチック製ではない紙のストローが出てくることが増えたのではないでしょうか。これらは全て、地球の海を汚しているプラスチックごみを減らして、環境を守るために始まった取り組みです。特に、2020年7月1日からは、全国でレジ袋が有料になり、私たちの毎日の買い物は大きく変わりました。

プラスチックごみ、特に海に流れ着く海洋プラスチックごみは、海の生き物たちに悪い影響を与えたり、最終的には私たちの食べる魚を通して、私たちの体にも影響が及ぶ可能性があると言われています。だからこそ、レジ袋の有料化やプラスチック製ストローの廃止といった対策が、国を挙げて進められてきたのですね。

「エコ」の裏側?意外な疑問が浮上していること

環境を守るために始まったレジ袋有料化や紙ストローですが、最近では、「本当に環境に良い効果があったのだろうか?」「もしかしたら、かえって良くない点もあるのではないか?」という疑問の声も聞かれるようになりました。一体、どういうことなのでしょうか。

レジ袋が有料になったのに、プラスチックごみは増えた?

レジ袋が有料化されたことで、多くの人がエコバッグを使うようになり、レジ袋をもらわない割合は、9割以上にもなりました。これは良いことのように見えます。

しかし、その一方で、家庭から出るプラスチックごみの量は、減るどころか増えているのではないか、という指摘があります。レジ袋の代わりに、スーパーで食品を小分けにするための薄いポリ袋や、家庭のごみを捨てるためのごみ袋を新しく買う量が増えてしまったため、結果的にプラスチック全体の使用量が増えてしまったという見方もあるのです。

レジ袋は作らないと資源の無駄になる?

レジ袋の主な材料であるポリエチレンは、石油を精製する過程で必ず出てくる「ナフサ」という物質から作られます。これは、ガソリンや灯油などを作る際に、どうしても発生する副産物で、レジ袋のようなものしか作れない物質なのです。

つまり、石油やガソリンを精製するのをやめないかぎり、副産物としてのナフサは発生するので、レジ袋を作るのをやめることはできず、もしやめたらせっかくの資源を捨ててしまうだけ、というなんだかばかばかしいことになってしまいます。

ゴミ処理施設では燃焼効率が悪くなった?

私たちが捨てたプラスチックごみは、多くの場合、ごみ処理施設で燃やされます。実は、プラスチックごみはよく燃えるため、他のごみを燃やす際の「燃料」のような役割も果たしていました。

しかし、レジ袋が有料になり、ごみの中に含まれるプラスチックの量が減ったことで、焼却炉の燃え方が悪くなり、かえって余計な燃料を投入する必要が出てきた施設もあると言われています。環境に良いと思っていたことが、別の形で環境に負担をかけている可能性もあるということでしょうか。

紙ストローは使いにくい?本当に効果があるの?

多くの消費者が紙ストローに対して、以下のような不満を感じています。

  • 環境への疑問
    • 紙ストローの製造には多くのエネルギーや水が必要で、完全に環境に優しいわけではない、という指摘。また、リサイクルが難しい場合もあります。
  • 耐久性の問題
    • 飲み物の途中でストローがふにゃふにゃになる。飲みにくい。
  • 口当たり
    • 紙の素材感が飲み物の味を損ねる。不快な口当たりがする。

また、紙ストローの製造には多くのエネルギーや水が必要です。また、リサイクルが難しい場合もありますので、完全に環境に優しいわけではない、という指摘もあります。

そもそも、ストローがプラスチックごみ全体に占める割合は、実はごくわずかだと言われています。そこまでしてプラスチックの使用を減らすことが、本当に大きな環境改善効果につながっているのか、疑問に思う人が多くなっており、アメリカなどではプラスチックストローに戻す動きが加速しています。

実はあまり知られていない、海洋プラごみの大きな原因

海のプラスチックごみと聞くと、レジ袋やペットボトルを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実はあまり知られていないけれど、海のプラスチックごみの大きな原因となっているものが二つあります。それは、「人工芝の破片」と「漁網」です。

  • 漁網(漁具)
    • 海に流れ着くプラスチックごみの中で、かなりの割合を占めるのが、漁業で使われる網やロープ、ブイなどの漁具です。これらは「ゴーストギア(幽霊漁具)」と呼ばれ、海に捨てられたり失われたりすると、何十年も海を漂い続け、海の生き物が絡まって死んでしまったり、サンゴ礁を傷つけたりします。
    • 重さで見ると、海のプラスチックごみ全体の最大で10%から25%にもなると言われています。(参考:国連環境計画(UNEP)報告書など)
  • 人工芝の破片
    • もう一つは、サッカーグラウンドなどで使われる人工芝が劣化してできる小さなプラスチックの破片です。これらは雨などと一緒に排水溝に入り、川を通って海に流れ出て、マイクロプラスチックの原因となります。
    • 特に、人工芝が普及している地域では、無視できない量のプラスチックが海に流れていると指摘されています。その量は年間16,000トン海洋プラスチック全体の14%から23%を占めると言われています。(参考:欧州化学機関(ECHA)関連情報など)

つまり、漁網と人工芝で、海洋プラスチックゴミの14%~48%。約半分はこれが原因ということになります。

結局、レジ袋も紙ストローも海洋汚染とほとんど関係ないじゃん

こう見てくると、レジ袋削減のための有料化も、紙ストローも、「地球の海を汚しているプラスチックごみを減らして、環境を守る」ためには、まったくと言っていいくらいに役に立ってないってことじゃないですか? そうじゃないですか?


各政党は「レジ袋」や「プラスチックごみ」についてどう考えているの?

ここでは、主な政党がレジ袋有料化やプラスチックごみ問題についてどのような政策や考え方を持っているのかを見ていきましょう。これらの情報は、各政党の公式ホームページの政策や公約、党首の発言などに基づいてまとめています。

自由民主党(自民党:保守、中道右派 左傾傾向)

自民党は、プラスチック資源の循環利用を推進しています。レジ袋有料化は国民のライフスタイルを変えるための一環と位置づけつつ、プラスチックごみ問題全体に対しては、リサイクルや再生利用を進め、持続可能な社会の実現を目指すとしています。海洋プラスチックごみ対策としては、外国との協力も重視しています。

立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)

立憲民主党は、レジ袋有料化などの対策は、プラスチックごみ削減への最初の一歩として評価しています。その上で、使い捨てプラスチックの量をさらに減らすために、製品を作る段階での工夫や、プラスチックの代わりになる素材への転換を支援すること、繰り返し使える(リユース)仕組みを広げることなど、もっと根本的な対策が必要だと主張しています。海の環境を守ることにも積極的に取り組む姿勢です。

日本維新の会(保守、右派、リベラル)

日本維新の会は、レジ袋有料化が実際にどれくらい効果があったのか、かかる費用と得られる効果をしっかり検証する姿勢を重視しています。環境問題への取り組みは必要としつつも、厳しすぎるルールや国民の負担が増えることには慎重な立場を取ることがあります。経済活動を続けながら、効果的で無駄のないプラスチックごみ対策を求めています。

公明党(中道、保守)

公明党は、環境問題に熱心に取り組んでおり、レジ袋有料化もその活動の一つとして進めてきました。プラスチックごみ問題に対しては、3R(リデュース:ごみを減らす、リユース:繰り返し使う、リサイクル:再利用する)を徹底することに加え、環境に優しいプラスチック素材(バイオプラスチックなど)への転換を支援すること、海に流れ出たプラスチックごみの回収を強化することなど、様々な方法で対策を進めることを重視しています。

国民民主党(中道、保守、リベラル)

国民民主党は、レジ袋有料化などの環境政策について、国民の暮らしへの影響や、実際にどれくらいの効果があるのかをよく考えて議論を進めるべきだと考えています。プラスチックごみ問題に対しては、新しい技術でリサイクル技術を高めることや、企業を支援することを通じて、経済を成長させながら環境も守る政策を目指しています。

日本共産党(革新、左派)

日本共産党は、レジ袋有料化は使い捨てプラスチックを減らすための最初のきっかけとして賛成の立場です。しかし、根本的な解決にはまだ足りないとし、大量に作って大量に捨てるという社会の仕組みを見直すこと、使い捨てプラスチック製品そのものの生産を減らすこと、繰り返し使うことやリサイクルすることを義務化すること、企業にもっと責任を負わせるようにすることなど、より厳しい対策を強く求めています

参政党(保守、右派)

参政党は、環境問題への関心は高いものの、レジ袋有料化のような表面的な対策には疑問を投げかけることがあります。プラスチックごみ問題に対しては、安易にルールを厳しくするのではなく、自然の素材に戻すことや、国民一人ひとりが意識を変えること、本当に環境に負担をかけない技術を開発することなど、もっと根本的な解決策を重視する傾向にあります。

れいわ新選組(革新、左派)

れいわ新選組は、環境問題への取り組みを非常に重視しており、使い捨てプラスチックの削減にも賛成の立場です。レジ袋有料化のような制度だけでなく、環境に配慮した経済の仕組みへと変えること、企業にもっと責任を持たせること、市民が参加する環境保護活動を増やすことなど、より大胆な政策でプラスチックごみ問題に取り組むことを主張しています。

日本保守党(保守、右派)

日本保守党は、日本の国益を最も大切にする立場から、レジ袋有料化などの政策について、その効果と国民が負う負担のバランスを厳しく評価します。過度に環境規制を厳しくすると、経済活動の邪魔になる可能性があるとし、プラスチックごみ問題についても、世界の動きも考えながら、現実的で効率的な解決策を探していく姿勢です。


まとめ:環境問題、何が正解なのだろう?

レジ袋有料化や紙ストローの導入は、私たちが環境について考える良いきっかけになりました。しかし、その効果や、意外な側面も明らかになってきています。

環境問題は、とても複雑で、一つの答えがあるわけではありません。プラスチックごみを減らすことはもちろん大切ですが、そのために私たちが不便を感じたり、別の問題が生まれたりすることもあります。

また、本質的な環境改善、たとえば、レジ袋やストローなど効果がないものではなく、漁網や人工芝がプラゴミにならないような改良することに投資をするほうが、よいのではないかという意見もあります。

私たちは、何が本当に環境に優しく、私たちの暮らしにとって良い選択なのか、深く考えていく必要があります。皆さんは、レジ袋や紙ストローについて、どう思いますか? これからどのようにプラスチックごみ問題と向き合っていけば良いのでしょうか。

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