選挙妨害は民主的なのかな

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選挙演説の妨害をする意味がわからない。。

街頭演説を止めるのは「自由」?それとも「妨害」?

まずはざっくり説明

選挙妨害とは、候補者や政党が選挙活動をしているときに、それを邪魔するような行為のことです。たとえば、演説中に大声でヤジを飛ばしたり、大音量で音を出して話をかき消したり、プラカードを掲げて近づいたりするようなケースがあたります。こうした行為は、公職選挙法に違反する可能性があり、悪質な場合は逮捕されることもあります。

でも一方で、日本では「言いたいことを言う自由」や「抗議する権利」もちゃんと守られていて、どこまでがOKで、どこからがアウトなのか、その境目はとてもデリケートな問題になっています。

2025年の参議院選挙で話題になった抗議行動

2025年7月に行われた参議院選挙では、いくつかの演説会場で、候補者の話をかき消すような抗議があり、SNSでも大きな注目を集めました。

とくに、参政党の候補者に対しては、強い言葉やプラカードによる抗議が続きました。中には、警察が出動して場をおさめる場面も。
また、小池百合子・東京都知事が都内で応援演説をしたときには、「やめろコール」が激しく飛び交い、かなり騒然とした雰囲気になりました。

こうした行動は一部の市民グループや個人によるものとされていますが、誰が指示したのか、どの団体とつながっているのかなど、はっきりしたことは分かっていません。

ちなみに、自民党やほかの政党の演説会場では、目立った妨害は報告されていません。今回は参政党や小池氏のような、保守的な立場の人たちがターゲットになったようです。


選挙妨害に関わったとされるグループ

「カウンター」と呼ばれる市民グループ

  • 考え方:差別に反対、ヘイトスピーチに反対という立場で、個人が自発的に抗議を行っていると言われています。
  • 特徴:組織というより、ゆるくつながった個人の集まりのような動き方をしていて、「どの政党とも関係ない」とよく言われます。ただ、やっていることや話し方が、過去に話題になった「しばき隊」や「C.R.A.C.(反差別を掲げる市民グループ)」とよく似ている、という声もあります。
  • 実際にあったこと:2025年7月、参政党の街頭演説に対してヤジやプラカードによる抗議が各地で起き、警察が介入する場面もありました。小池百合子都知事の応援演説でも、激しいコールや妨害的な叫び声が飛び交い、演説が聞こえづらくなったこともありました。
  • 被害を受けた側:参政党(神谷宗幣代表を含む)、小池百合子(応援演説の場)

しばき隊(現在はC.R.A.C.などに引き継がれている)

  • 考え方:もともと反差別・反レイシズムを掲げて活動していたグループで、2013年ごろから注目され始めました。
  • 今の状況:最近は「しばき隊」として活動することは少なく、代わりに「C.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)」という名前や、他の市民名義での行動が主になっています。
  • 関係性:2025年の妨害活動に、しばき隊出身者とされる人が関与していたとの情報もありますが、グループとして組織的に動いていたかどうかは不明です。
  • 被害を受けた側:参政党(街頭演説の途中での妨害など)

ちょっと前の話:2024年の補欠選挙の妨害

つばさの党(政治団体)

  • 考え方:保守的で、反グローバリズム、反ワクチンといった主張を掲げています。
  • 何をしたの?:2024年4月、東京15区の補欠選挙で、他の候補者の演説に向かって拡声器で大音量を流したり、ずっとつきまとって演説を邪魔したりしたとして、黒川敦彦代表ら3人が公職選挙法違反で逮捕・起訴されました。
  • 被害を受けた側:立憲民主党の候補者、無所属候補、その他複数の野党系候補
  • ひとこと注意:この事件は2025年の参院選とは直接の関係はなく、別のタイミングで起きたものです。

この事件は、マスコミでも広く報道され、選挙妨害行為が世間に認知された事件となりました。


こういうグループって、どこかの政党が応援してるの?

これらの抗議グループは「政党とは無関係」と言うのが基本スタンスですが、思想的にはそれぞれ近い政党や立場があります。

ちなみに、しばき隊の関係者っぽい人たちは、兵庫県知事の斎藤元彦氏に対しても、ずっと強めの批判をしているので、全体的に「反保守・反体制」っぽい雰囲気はあるかも。

つばさの党は思想的には保守・右派ですが、過激な行動によりどの政党からも距離を置かれています。

カウンターしばき隊は、革新・左派で、共産党や社民党、れいわ新選組に非常に近い思想を持っています。ただし、両政党との直接的な連携は確認されていません。

しばき隊の関係者っぽい人たちは、兵庫県知事の斎藤元彦氏に対しても、ずっと強めの批判をしていてるのですが、斎藤氏の応援をしていた増山県議が参院選中にライブ配信をしながら神戸市内の選挙演説を聴きに行ったとき、社民党の選挙カーのところで、斎藤知事を叩いている人たちと出会い、「帰れ!」コールを受ける(映像参照)事件?がありました。このことから、しばき隊と社民党とのつながりは推測されるところだと思います。


8分前後からごらんください
参政党の街頭演説で講義する人たち

それぞれの政党はどのような意見を持っているのでしょうか。

選挙の妨害行為について、厳罰化すべきかどうか、各政党はどう思っているのか見てみましょう。

賛成または前向きな政党

  • 自由民主党(自民党): 選挙が公平(こうへい)に行われるようにするためには、厳しく取り締まるべきだと考えています。暴力的な言葉や行動は許してはいけない、という立場です。
  • 公明党: みんなが安心して選挙に参加できるように、厳罰化には賛成です。候補者が自分の考えを話す場所を守ることが大切だと言っています。
  • 日本維新の会: 選挙の自由を邪魔する行動は、厳しく罰するべきだと主張しています。選挙のルールを守って、きちんと政治活動ができるようにしたいと考えています。
  • 国民民主党: 私たちが落ち着いて候補者の話を聞き、選挙で正しい判断ができるように、厳罰化には賛成しています。選挙を邪魔する行動は、民主主義(みんしゅしゅぎ)を壊(こわ)すことにつながる、と考えています。
  • 参政党: 特定の考え方を邪魔するような選挙妨害はダメだと批判しています。投票する人たちが安心して政治家の話を聞ける環境が必要だと主張しています。
  • 日本保守党: 選挙の公正さを守るために、選挙の邪魔をする行動を厳しく罰することに賛成しています。

慎重な政党

  • 立憲民主党: 選挙の邪魔をするのは良くないことだと考えています。しかし、厳しくしすぎると、「誰でも自由に意見を言える権利」が守られなくなるかもしれないので、慎重に話し合うべきだと言っています。
  • れいわ新選組: 選挙を邪魔する行動には反対ですが、厳罰化には慎重です。政治家(けんりょく)に対する私たちの声が消えてしまわないか、もっと根本的なところから話し合う必要があると訴(うった)えています。
  • 日本共産党: 選挙の邪魔に反対はしていますが、厳罰化には慎重です。この法律が、政府(せいふ)を批判(ひはん)する市民の声を押さえつけるために使われるのではないか、と心配しています。
  • 社会民主党(社民党): 選挙活動での暴力や差別(さべつ)は許しません。でも、厳罰化によって、みんなが自分の意見を言いにくくなってしまうことがないように、注意深く考えるべきだと主張しています。

最後にちょっと考えてみたいこと

候補者が自由に話せることも大事。でも、その話をちゃんと聞ける環境を守るのも大事。「伝える自由」と「聞く自由」。両方あってこそ、ほんとの民主主義だと思います。

あなたなら、どこまでの抗議が「アリ」だと思いますか?そして、どこからが「やりすぎ」だと感じますか?

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