韓国の人たちが日本きらいとか日本の人たちが韓国きらいとか聞くけどなぜ?
日本における「韓国人問題」とは?
「韓国人問題」という言葉は、非常に色々な意味で使われます。主に「日本に長く住む韓国・朝鮮にルーツを持つ人々(在日コリアン)に関する問題」と、「日本と韓国の国同士の関係で起こる問題」、そしてそれに伴って社会で起きる「摩擦(まさつ)や誤解」のことです。
現代の日本の若者は、K-POPや韓国コスメなどに親しむ中で、韓国に悪い感情を持つ人はあまりいないようで、それは韓国側でも同じ傾向だと聞きますが、お隣の国ということで政治的にさまざまな衝突があることも事実です。
ここでは、それぞれの問題と、日本の主な政党がどんな考え方をしているかを紹介します。
1. 「在日コリアン」に関する問題(主に日本に長く住む方々)
日本には、昔からの歴史的な理由で日本に来て、その後も住み続けている韓国・朝鮮にルーツを持つ人々(在日コリアン)がたくさんいます。彼らの多くは「特別永住者」という特別な許可を持って日本に住んでいます。
「特権がある」という誤解とヘイトスピーチ
- 一部の意見(主に保守系の一部、インターネット上の声、参政党・日本保守党など): 「在日コリアンには、生活保護などの特別な『特権』がある」という誤解が広まることがあります。彼らは、一部の外国人に生活保護が支給される運用や、歴史的経緯を理由とした特別永住者制度自体を「特権的」と見なし、批判することがあります。
- 多くの政党の見解(立憲民主党、共産党、公明党など): 生活保護は、日本人と同じように困っている場合に、永住者など一部の在留資格を持つ外国人にも人道的な理由で適用されるもので、特定の国籍の人だけが特別に優遇されているわけではありません。(外国人の生活保護受給は生活保護全体の2.9%。国籍の内訳などについては政府は公表していません。)
- ヘイトスピーチへの対応: 誤解や、歴史認識の違いを背景に、在日コリアンに対する差別的な発言や行動(ヘイトスピーチ)が社会問題になっています。
- 反対・対策を求める政党(立憲民主党、共産党、公明党、社会民主党など): ヘイトスピーチは人権侵害であり、許されるべきではないと考え、ヘイトスピーチ解消法に基づいて対策を進めるべきだと主張します。
- 対応に慎重な政党(自由民主党の一部の保守系議員、日本維新の会の一部議員、参政党、日本保守党など): 特に「ヘイトスピーチ(特定の民族や国籍の人々に対する差別的な言動)を取り締まるための法律やルールを、あまり厳しくしすぎない方が良い」という考え方を指すことが多いです。これは、日本国憲法で保証されている「表現の自由」(誰もが自分の意見を自由に言ったり書いたりできる権利)をとても大切にしようという考えに基づいています。
学校教育への補助金問題(朝鮮学校など)
- 朝鮮学校など、韓国・朝鮮系の学校は、日本の一般的な学校(公立の小・中学校や高校など)とは別の扱いになります。そのため、公立学校と同じように国や自治体からの補助金が直接出ないことがあります。
- 補助金に賛成する政党(立憲民主党、共産党、社会民主党など): 「民族の文化や言葉を学ぶことは大切なので、教育への支援は必要だ」と主張します。
- 補助金に反対・慎重な政党(自由民主党、日本維新の会、参政党、日本保守党など): 「学校の教育内容が日本の基準と異なる」「特定の政治的な団体(北朝鮮を支持する団体など)との関わりがある」といった理由から、公費(税金)を出すことに反対したり、慎重な姿勢をとったりします。
2. 日韓関係全般における問題(歴史認識・慰安婦・徴用工)
日韓請求協定って何? 解決済み? 未解決?
- 日韓の間では、第二次世界大戦中の歴史に関する見方(歴史認識)の違いが、長年の大きな対立点となっています。日本政府は、これらの問題は「解決済み」という立場をとることが多いですが、韓国側は「十分な解決には至っていない」と主張することが多く、意見が食い違っています。
- 「日韓請求権協定」に基づく日本政府の立場:
- 協定の締結日と内容: 1965年6月22日に「日韓基本条約」が結ばれ、その付属協定として「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(日韓請求権協定)」が締結されました。
- この協定で、日本は韓国に総額5億ドル(無償3億ドル、有償2億ドル)の経済協力を行いました。(1965年当時の為替レートで単純計算すると、5億ドルは約1,800億円ですが、現在の経済価値に換算するとなると、計算方法によって大きく異なり、数千億円から数兆円、あるいは数十兆円に相当するという様々な見解があります。)この経済協力は、統治期間に日本が行ったことに対する「経済的な協力金」として支払われたものです。
- 協定の内容: 協定の第二条には、「両締約国及びその国民の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民間の請求権に関する問題が完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記されています。
「経済復興のためのお金をわたすから、いろんな問題があったかもしれないけど、すべて水に流そうぜ」ということですね。 - 日本政府の解釈(エビデンス(証拠)の基礎): 日本政府は、この日韓請求権協定により、個人の請求権を含むすべての請求権問題は、法的には完全かつ最終的に解決され、国家間の問題としては決着済みであるとの立場を一貫してとっています。つまり、元徴用工や元慰安婦の方々の個人への直接の補償も、この協定に含まれると解釈しています。日本が支払ったお金は、韓国政府が国内で国民への対応に使うことを想定していました。
- 「日韓請求権協定」に基づく日本政府の立場:
慰安婦問題
- 第二次世界大戦中、日本軍の関与のもとで「慰安婦」とされた女性たちがいた問題です。
- 日本政府のこれまでの対応:
- 1993年の河野洋平官房長官談話では、慰安所の設置や管理に旧日本軍が関与したこと、募集に強制性があったことを認め、謝罪と反省を表明しました。
- 1995年には、当時の総理大臣(村山富市)がアジア女性基金(政府の資金と国民からの寄付を合わせたもの)を設立し、元慰安婦の方々への「償い金」と医療・福祉支援を行いました(約60億円が支出され、うち韓国の元慰安婦に約4.8億円が支払われました)。これは「国民の償いの気持ち」として行われたもので、法的な賠償とは区別されています。
- 2015年には、日韓両政府間で「慰安婦問題に関する日韓合意」が結ばれました。日本政府は責任を認め、韓国が設立する財団に10億円を拠出しました。この合意では、日韓請求権協定と同じく「最終的かつ不可逆的な解決」が確認されています。
- 日本政府の現在の立場: これらの対応を通じて、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決済み」であるとの立場を明確にしています。
- 韓国側の主張: しかし、韓国の元慰安婦支援団体や一部の人々は、「日本政府の直接的な法的賠償ではない」「当事者の納得がない」として、合意の破棄やさらなる謝罪・賠償を求める声が根強くあります。
元徴用工問題
- 第二次世界大戦中に、日本の企業などで強制的に働かされたとされる韓国人労働者(元徴用工)に関する問題です。
- 日本政府のこれまでの対応:
- 前述の日韓請求権協定(1965年)により、この問題も法的には解決済みであると日本政府は主張しています。日本が韓国に提供した経済協力金は、こうした個人の請求権の解決にも充てられるべきものだ、という立場です。
- 韓国大法院判決と日本政府の反応:
- 2018年、韓国の最高裁判所(大法院)は、日本の企業に対し、元徴用工への賠償を命じる判決を下しました。韓国側は、日韓請求権協定は国家間の問題解決であり、個人の請求権は消滅しない、という解釈をとっています。
- この判決に対し、日本政府は「日韓請求権協定に明らかに違反するものであり、国際法違反である」と強く反発。日本企業の財産が差し押さえられる事態に発展し、日韓関係が急速に悪化しました。
- 2023年、韓国政府は、韓国の財団が元徴用工への賠償金を肩代わりする解決策を発表しましたが、元徴用工側からは反発もあり、完全な解決には至っていません。
- 日本政府の現在の立場: 日韓請求権協定をもとに、これらの問題は「解決済み」であるという立場を堅持しています。
- 各政党の考え方:
- 日本の立場を重視する政党(自由民主党、日本維新の会、参政党、日本保守党など): 歴史問題は日韓請求権協定や日韓合意で「解決済み」であり、韓国側が国際法に違反していると強く主張します。韓国側の一方的な主張には応じるべきではない、という毅然とした対応を求めます。
- 対話や解決を重視する政党(立憲民主党、公明党、国民民主党、社会民主党など): 過去の歴史について真摯に向き合い、当事者の声も聞きながら、外交的な努力や対話を通じて解決策を探るべきだと主張します。日韓関係の改善には、この問題の解決が不可欠だとしています。
領土問題(竹島/独島)
- 日本が「竹島(たけしま)」と呼び、韓国が「独島(トクト)」と呼ぶ島を巡る領土問題も、両国の関係を複雑にする要因の一つです。互いに自国の領土であると主張しており、解決の糸口が見えていません。
- 日本の領土であることを強く主張する政党(自由民主党、日本維新の会、参政党、日本保守党など): 竹島は歴史的にも国際法的にも日本の固有の領土であり、韓国が不法に占拠していると強く主張し、政府による毅然とした対応を求めます。
- 穏やかな解決を求める政党(立憲民主党、公明党、国民民主党など):
- これらの政党は、対話を通じて冷静に問題を解決すべきだと主張します。
- 具体的な「穏やかな解決策」の例:
- 国際司法裁判所(ICJ)への付託: 両国が合意すれば、国際的な裁判所に判断を委ねるという方法があります。国際法に基づいて公正な判断を求めることで、感情的な対立を避けられると考えます。日本政府は一貫してICJへの付託を提案していますが、韓国側は応じていません。
- 冷静な対話の継続: 領土問題は感情的になりやすいため、政府間で感情的にならず、粘り強く話し合いを続けることが大切だと考えます。
- 資源管理などでの協力: 領土問題が解決するまでの間、周辺海域の資源管理や環境保護など、互いに協力できる分野で関係を築き、信頼を高めることで、将来的な問題解決の糸口を探るべきだという考えもあります。
- 学術的な共同研究: 歴史や地理に関する認識のズレを埋めるために、両国の研究者が協力して事実関係を調査・研究し、共通の理解を深めることを提案することもあります。
経済や貿易の問題
- 近年、両国間の経済・貿易摩擦(例:日本の対韓輸出管理強化)が起きたこともあり、経済面での協力や対立も話題になります。
3. 社会的な摩擦や誤解
- 一般的な問題: 外国人が増えることで、ごみ出しのルール、騒音、生活習慣の違いなどから、地域住民との間で小さな摩擦が生じることもあります。これは韓国人に限らず、他の外国人コミュニティでも見られることです。
- インターネット上の情報:
- 問題視する政党(立憲民主党、共産党など): インターネット上で、特定の政治的意図を持った情報や、不正確な情報が拡散されやすいことを問題視し、それが韓国人全体に対する偏見や誤解を助長していると指摘します。
- 情報規制に慎重な政党(自由民主党の一部の保守系議員、日本維新の会の一部議員、参政党、日本保守党など): 表現の自由との兼ね合いから、情報の規制には慎重な立場を取ることもあります。
まとめ
「韓国人問題」という言葉が指す内容は、日本社会に長く根付く「在日コリアンの人権や共生」の課題から、頻繁にニュースになる「日本と韓国の国同士の外交・歴史問題」、そしてそれらが引き起こす「社会の中での感情的な対立や誤解」まで、非常に幅広い意味を持っています。
これらの問題は、単純に「どちらが悪い」と決めつけられるものではなく、歴史的背景や政治、文化、そして個人の人権といった多様な側面を理解し、冷静に議論することが大切です。
また、協定の内容や当時の新聞、写真なども数多く残っています。
「日韓基本条約」原本(外務省ホームページ)
「日韓請求権協定」原本(外務省ホームページ)
SNSでこう言ってたとか、人づてに聞いたことに関して、それらをきちんと自分で確認して、何が真実か、そして各政党がそれぞれの理念に基づいて異なる見解を持っていることも知っていくことで、政治に参加しようという気持ちが大きくなっていくかもれません。
韓国に関しては、あまりにたくさんの問題とされていることがありますので、機会をみつけて深堀りしていこうと思います。


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