2025年 政治の動きの総括

政治ニュース
2025年高市内閣ふりかえり

2025年は、前年末の兵庫県知事選挙の結果が示すように「SNSによる世論形成」が政治に決定的な影響を与え、秋には高市内閣が発足。長年の懸案事項であった国民負担軽減に加え、防衛・インテリジェンスの抜本的な強化という、戦略的かつ歴史的な施策を迅速に実行した年となりました。

臨時国会閉会に当たっての会見(外交編ダイジェスト) 高市総理(首相官邸Youtubeより)

1. 注目された主要選挙の動向

SNSが政治を動かす嚆矢となった兵庫県知事選挙(2024年11月17日)

この選挙は、マスコミ報道とSNSによる情報戦の対立という、現代の政治戦の様相を象徴する出来事となりました。

  • 経緯の概要: 元播磨県民局長作成の怪文書を発端に、当時の知事であった齋藤元彦氏に不当な疑惑が浮上。マスコミによる連日の批判報道と、第三者委員会開催中にもかかわらず全会一致で不信任案が可決される異例の事態に発展しました。(後に疑惑はすべて事実が認められないとされました。)
  • 「大逆転」の要因: 齋藤氏は選挙戦中、具体的な政策のみを訴える姿勢を貫きました。一方、NHK党の立花孝志氏らが、SNSや街頭演説で文書の「嘘」を暴き、真実を広く有権者に伝える活動を展開。この「真実を伝えるSNSの力」が世論を動かし、旧井戸派が推す稲村和美氏を齋藤氏が大逆転で下す結果となりました。

東京都議会選挙 および 参議院選挙(2025年7月)

  • 参政党の躍進: 参政党が都議会選挙および参議院選挙の両方で著しい躍進を遂げました。既存政治への不信層やSNSを情報源とする層の支持を獲得し、新たな勢力として存在感を示しました。
  • 演説妨害の顕在化: 参政党をはじめとする新興勢力の街頭演説に対し、左派(リベラル)系の聴衆や反対派による組織的な演説妨害が全国各地で顕著に見られ、民主主義的な観点から大きな問題提起となりました。

2. 政局の大きな転換点と高市内閣の発足

石破首相の退陣(2025年9月)

都議会選挙、参議院選挙での与党の議席減と投票率の低迷により、石破政権国民の期待感の低さが浮き彫りになり、党内の求心力を失い、辞任を表明しました。

高市内閣の発足(2025年10月)

総裁選後、公明党の連立離脱、日本維新の会の連立閣外協力という急展開の中、高市早苗氏が首相に就任。経済安全保障、科学技術振興、憲法改正などを重要政策に掲げ、「政治停滞の打破」と「スピード重視」の姿勢を明確にしました。

3. 高市内閣による画期的な「スピード施策」

高市内閣は、長年の懸案事項であった国民負担軽減、防衛・インテリジェンスの強化という戦略的な分野で迅速な決断を下しました。

A. 防衛・インテリジェンスの強化と台湾有事を巡る緊張

高市首相が「台湾有事=日本有事になりうる」の認識を明確化したことに対し、中国は軍事・外交両面で強い反発を示しました。

決定事項・事案概要と目的
中国からの過激な反発と世論操作・高市首相の台湾有事発言に対して中国の戦狼外交が炸裂。薛剣在大阪総領事が「汚い首は斬ってやるしかない」などとSNSに投稿。
・台湾周辺や尖閣諸島付近で、中国海軍艦艇に加え、中国軍の戦闘機が自衛隊機に対し射撃管制用レーダーを照射する事案が発生。偶発的な衝突を引き起こしかねない、明確な軍事的威嚇行為として緊張が高まった。
・日本の観光産業を狙った「日本への渡航自粛」勧告も発出されたが、中国人観光客は中国資本の民宿などに泊まり、中国資本の飲食店を利用、中国人の白タクを使うなどもともと日本に貢献していないことから、オーバーツーリズムが緩和され、うるさい中国人観光客が減ったことで歓迎ムードに。「セルフ経済制裁」と揶揄された。
特定情報分析庁(仮称)創設準備法の成立既存の情報部門を連携・統合し、対外的な情報収集・分析能力を強化する新たな専門機関設立に向けた基盤法を成立
スパイ防止法(仮称)の制定に向けた議論開始機微な防衛・経済情報漏洩の厳罰化を柱とする、スパイ防止法の制定について、「国民の権利を侵害しない範囲で、速やかに議論を開始する」方針を閣議決定。
防衛装備移転三原則の「5類型」見直し戦闘機など主要装備品の第三国移転を可能とするための防衛装備移転三原則の見直しに向け、与党協議を加速。国際共同開発品の移転制限の緩和を、補正予算会期中に決定した。
非核三原則に関する議論の開始非核三原則の「持ち込ませず」の部分について、有事における「核の傘」の有効性を担保するため、与党内で見直しに向けた議論を開始。政策議論のタブーに踏み込んだ姿勢を示した。

B. 国民生活に直結する重要な決定(負担軽減と構造改革)

決定事項概要と影響
ガソリン暫定税率の廃止暫定税率(約25.1円/L)を恒久的に廃止するという抜本的な決定を補正予算関連法案で実施。2025年12月より補助金と合わせてガソリン価格が大幅に引き下がり、12月31日に廃止。国民生活の負担軽減に直結した。
年収の壁(108万円の壁)の解消「108万円の壁」の適用となる社会保険料の徴収基準を178万円まで引き上げ、所得制限も見直し。中間層を含めた国民の80%の労働者が収入を抑えることなく働ける環境を整備した。

C. その他の戦略的分野への投資(補正予算で決議された主な法案)

法案名主な内容と目的
重要物資自給率向上法(改正)国内の半導体や重要鉱物資源の生産拠点新設・強化のための税制優遇措置補助金を大幅に拡充。経済安全保障確立のため、迅速な合意がなされた。また既存の優遇措置や補助金も大胆に見直す方針が発表された。
戦略技術研究推進機構設置法AI、量子技術など、未来の成長を担う特定分野の研究に特化した機構を設立。研究者への資金提供を迅速に行う仕組みを創設。

4. 補正予算で決議が見送られた主な法案(改革の先送り)

国民負担の増加や「身を切る改革」に直結する、以下の法案については、与野党間の対立や与党内の意見不一致により、補正予算会期内での成立が見送られました。

法案名主な内容と見送りの理由
議員定数削減衆議院議員の定数削減(特に比例代表区)に関する議論が、与野党の合意形成に至らず見送られた。「身を切る改革」の実現を掲げる日本維新の会も与党議員の反発を避ける戦略的な判断をしたと見られる。
防衛費財源確保法(改正・一部)防衛費増額の恒久的な財源として、法人税やたばこ税などの増税を盛り込むことを目指した法案の一部。増税に対する党内の反対意見が根強く、成立まで時間を要すると判断された。
少子化対策財源法(改正)既定の社会保険料とは別に、「子ども・子育て支援金」を徴収するための法案の一部。国民負担の増加に直結する「実質的な増税」批判が集中し、世論の反発を避けるため次期通常国会に先送りされた。

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