「外国人も日本の政治に参加できるの?」外国人参政権ってどういうこと?

外国人の問題

私たちの社会と未来を考える、大切な政治の話題です

最近、日本に住む外国人の人が増えているのを感じませんか? コンビニエンスストアやレストラン、工場などで、外国籍の人たちがたくさん働いています。彼らは私たちの社会を支える大切な仲間です。

そんな中で、「外国人の人も、日本の政治に参加できるの?」「外国人参政権って何?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。これは、日本の社会がこれからどうなっていくのかを考える上で、とても大切な政治の話題なんです。

このページでは、「外国人参政権」がどんなものなのか、今どんなことが議論されているのか、そして日本の各政党がどう考えているのかを、皆さんに分かりやすくお伝えしていきます。

日本に暮らす外国人と、政治の関わり

外国人参政権(がいこくじんさんせいけん)」とは、日本国籍を持たない外国籍の人に、政治に参加する権利(投票したり、選挙に立候補したりする権利)を与えるかどうかの問題です。

日本の選挙権は、基本的に「日本国民」に与えられています。だから、外国籍の人は、国会議員を選ぶ選挙(国政選挙)や、都道府県知事や市町村長、議会議員を選ぶ選挙(地方選挙)では、投票することができません。

議論の中心は「地方参政権」

外国人参政権と一口に言っても、大きく分けて二つの種類があります。

  • 国政参政権(こくせいさんせいけん):国会議員を選ぶ選挙の権利。これは、国のあり方や外交、防衛など、国の根幹に関わることなので、多くの国で自国民に限定されています。日本でも、外国籍の人に国政参政権を与えることには、憲法上の問題があるという考え方が一般的です。
  • 地方参政権(ちほうさんせいけん):都道府県知事や市町村長、議会議員を選ぶ選挙の権利。これは、住んでいる地域のゴミの収集方法や、学校の運営、道路の整備など、日々の暮らしに直接関わることです。この地方参政権を、日本に長く住んでいる外国籍の人に与えるべきかどうかが、特に日本で長く議論されてきました。

日本での議論の歴史と現状

日本で外国人参政権の議論が始まったのは、戦後のことです。特に、第二次世界大戦後も日本に残り、長く暮らしてきた在日韓国・朝鮮人の方々などが、地域社会の一員として、自分たちの生活に関わる政治に参加したいと訴えてきました。

過去には、地方参政権について、法律で認めるべきだという動きもありました。例えば、1990年代後半には、永住外国人(日本に永住する許可を得ている外国籍の人)に地方参政権を与える法案が国会に提出されたこともあります。しかし、この法案は成立しませんでした。

現在の日本では、外国籍の人に地方参政権は与えられていません。しかし、少子高齢化が進み、外国籍の住民が地域社会の担い手としてますます重要になる中で、彼らが地域に定着し、より積極的に社会に参加してもらうために、地方参政権を認めるべきだという声が再び高まっています。

今、どんなことが議論されているの?

外国人参政権については、賛成する意見と反対する意見がはっきりと分かれており、どちらにも大切な考え方があります。

1. 賛成派「納税の義務があるのに、投票の権利がないのはずるくない?」

外国人参政権に賛成する人たちがよく言うのは、「外国籍の人も、日本で働いて税金を納めているのに、なぜ政治に参加する権利がないの?」という疑問です。

  • 賛成の意見
    • 地域社会への貢献と責任:外国籍の人も、日本人と同じように地域に住み、税金を払い、地域の活動に参加しています。彼らの生活に直結する地方の政治に、彼らの意見が反映されないのは不公平ではないか、という考え方です。
    • 多文化共生社会の実現:多様な文化や背景を持つ外国籍の人々の声が政治に届くことで、より inclusiveness(インクルーシブネス:誰もが排除されずに参加できる社会)な地域社会が実現できる、という期待があります。
    • 定住促進と活性化:参政権を与えることで、外国籍の人々が日本に長く安心して暮らすインセンティブ(動機付け)となり、地域の活性化にもつながる、という見方もあります。

2. 反対派「国民主権の原則に反するんじゃない?」

一方、外国人参政権に反対する人たちは、「参政権は、その国の国民だけが持つべき大切な権利だ」と主張します。

  • 反対の意見
    • 国民主権の原則:日本の憲法は「国民主権」を定めており、政治の最終的な決定権は国民にある、という考え方です。参政権は、この国民主権を実現するための最も基本的な権利であり、日本国籍を持たない人に与えることは、憲法の原則に反するのではないか、という意見です。
    • 帰化(きか)の選択と国民意識:永住許可を得て日本に長く住んでいる外国籍の人には、日本国籍を取得して日本人になる「帰化」という選択肢があります。帰化すれば、日本人として選挙権も被選挙権(選挙に立候補する権利)も得られます。帰化という選択をしないのであれば、それは「日本人として生きていく覚悟がない」ということで、その覚悟がないなら日本国民固有の権利である選挙権を渡すわけにはいかない、という意見もあります。
    • 地方選挙への影響の懸念:地方選挙では、数百票単位で当選が決まることもあります。もし外国籍の人に地方参政権が与えられた場合、特定の地域に外国人が意図的に大量に移住してきて、自分たちに有利な候補者を当選させることが可能になるのではないか、という懸念の声もあります。
      たとえば、2025年5月に行われた長崎県対馬市議選挙では有権者数は2.2万人ほどで投票率75% 最下位当選者の得票数は491票でした。対馬には韓国と結ぶ高速船があり、対馬を訪れる韓国人の観光客は2023年度で12万人弱(最盛期には41万人 2018年)という大変な人数になっています。非常に悪意のある極端なたとえ話になってしまいますが、もしこれらの人たちが結束して対馬で参政権を得たと仮定すると、少なくとも対馬の議会は韓国の意向に沿ったものになることは容易に想像でき、地域の住民の意思が歪められる可能性があるという考え方にもつながります。
    • 国益と安全保障の懸念:「外国籍の人が、日本の国益よりも自分の出身国の利益を優先して投票するんじゃないか?」という心配をする人もいます。特に、国政参政権の場合、外交や防衛など、国の安全保障に関わる重要な決定に影響を与える可能性があるため、慎重な意見が多いです。
    • 相互主義の原則:「日本人が海外で参政権を得られないのに、なぜ日本だけが外国人に参政権を与える必要があるのか?」という考え方です。相手の国が日本人に対して参政権を与えていないのに、日本だけが一方的に与えるのは公平ではない、という意見です。
    • 国民意識の希薄化:参政権が国籍と結びつかないことで、国民としての意識が薄れてしまうのではないか、という懸念もあります。

3. どんな外国人に認めるの?

もし外国人参政権を認めるとして、その対象をどこまで広げるのか、というのも重要な論点です。

  • 議論の多くは、日本に長く住み、住民票があり、税金を納めている「永住者(えいじゅうしゃ)」を対象とすることに集中しています。
  • しかし、永住者だけでなく、特定の在留資格を持つ人や、一定期間日本に住んでいる人にも広げるべきか、といった議論もあります。

各政党が考える「外国人参政権」への政策:未来の日本をどうするのでしょうか?

日本のそれぞれの政党は、自分たちの政治に対する考え方に基づいて、外国人参政権にどう向き合うかを提案しています。

自由民主党(自民党:保守、中道右派 左傾傾向)

  • 考え方:外国人への地方参政権付与には慎重または反対の立場です。国民主権の原則を重視し、参政権は日本国民固有の権利であるという考え方を基本としています。また、日本の安全保障や国益への影響についても懸念を示すことがあります。
  • 政策:現在のところ、永住外国人への地方参政権付与には積極的ではありません。ただし、外国人材の受け入れについては、経済活性化の観点から推進しています。

立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)

  • 考え方:永住外国人への地方参政権付与には賛成の立場です。多様性を尊重し、地域社会の一員として税金を納め、生活している外国籍の人々の権利を保障すべきだと考えています。人権の観点や、多文化共生社会の実現を重視します。
  • 政策:永住外国人への地方参政権付与を可能にする法案の成立を目指しています。外国人住民が地域社会に参画できる仕組みづくりを推進します。

日本維新の会(保守、右派、リベラル)

  • 考え方:外国人への地方参政権付与には慎重な立場です。国民主権の原則や国益を重視し、国民の理解を得ることが不可欠であると考えています。ただし、外国人材の活用や、国際競争力の強化は推進しています。
  • 政策:外国人への地方参政権付与については、国民的議論を深めるべきだとしています。安易な付与には反対し、日本の主権や安全保障への影響を慎重に検討すべきだと主張します。

公明党(中道、保守)

  • 考え方:永住外国人への地方参政権付与には賛成の立場です。地域社会の活性化や、共生社会の実現を重視しており、地域住民として生活に深く関わる外国籍の人々が、政治に参加する意義を認めています。
  • 政策:永住外国人への地方参政権付与を目指す法案の成立を推進しています。外国人住民が地域で安心して暮らせるための生活支援や相談体制の充実も訴えています。

国民民主党(中道、保守、リベラル)

  • 考え方:外国人への地方参政権付与については、慎重または条件付き賛成の立場です。国益と国民の理解を重視し、議論を深める必要があると考えています。
  • 政策:外国人参政権については、国民的合意形成を重視し、慎重に議論を進めるべきだとしています。ただし、地方自治体レベルでの外国人住民の意見反映の仕組みづくりには、一定の理解を示すことがあります。

日本共産党(革新、左派)

  • 考え方:永住外国人への地方参政権付与には賛成の立場です。人権の観点から、地域社会に貢献している外国籍の人々が、その地域の政治に参加する権利を持つことは当然だと主張しています。
  • 政策:永住外国人への地方参政権付与を可能にする法案の成立を強く求めています。日本に暮らすすべての人の権利保障と、差別撤廃を訴えています。

参政党(保守、右派)

  • 考え方:外国人への地方参政権付与には反対の立場です。国民主権の原則を強く主張し、参政権は日本国民固有の権利であり、外国人に与えるべきではないと考えています。国家の安全保障や、日本の伝統・文化の維持を重視します。
  • 政策:外国人への参政権付与に反対し、日本の主権と国益を守ることを最優先します。

れいわ新選組(革新、左派)

  • 考え方:永住外国人への地方参政権付与には賛成の立場です。多様性を尊重し、社会的弱者の声が政治に反映されるべきだと考えています。日本に暮らす全ての人々が、安心して生活できる社会の実現を目指します。
  • 政策:永住外国人への地方参政権付与を可能にする法案の成立を推進し、外国人住民の生活支援や、多文化共生社会の実現に向けた取り組みを強化します。

日本保守党(保守、右派)

  • 考え方:外国人への地方参政権付与には反対の立場です。国民主権の原則を厳格に解釈し、参政権は日本国民に限定されるべきであると主張します。日本の伝統や文化、国家のアイデンティティ(自己認識)を守ることを重視します。
  • 政策:外国人への参政権付与に強く反対し、日本の主権と国益を最優先します。

まとめ:未来の日本をどうする? みんなで考えてみましょう!

「外国人参政権」の問題は、日本がこれからどんな社会を目指していくのか、という大きな問いと深くつながっています。

外国籍の人々が地域社会で果たしている役割をどう評価するのか、そして「国民」という枠組みをどう考えるのか。どちらの意見にも、それぞれ大切な理由があることが分かりました。

この問題を考えるとき、一番大切なのは「私たち一人ひとりが、将来どんな日本にしたいのか?」ということを、しっかり考えることです。

  • あなたの住む地域に外国籍の人が増えていると感じますか? 彼らが政治に参加することについて、どう思いますか?
  • 「国民主権」という考え方と、「多様性を尊重する社会」という考え方、どちらも大切ですが、どのようにバランスを取るべきだと思いますか?
  • 外国籍の人が、より安心して日本で暮らすためには、他にどんなことができると思いますか?

このページを読んで、「外国人参政権」に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。ぜひ、ご家族や友人とこのことについて話し合ってみたり、ニュースや資料を調べてみたりして、あなた自身の考えを深めてみてください。未来の日本を創っていくのは、私たちみんなの行動や選択にかかっています。

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