政治の「立ち位置」ってなんだろう?
テレビのニュースで「あの政党は保守派だね」とか「リベラル色が強い」なんて言葉を聞いたことはありますか。これは、それぞれの政党がどんな考え方を大切にして、日本をどんな国にしていきたいか、という「立ち位置」を表す言葉です。
例えるなら、目的地へ向かうのに、右の道を行くか、左の道を行くか、真ん中の道を行くか、という違いのようなものです。それぞれの道には、それぞれの景色やたどり着く場所があります。政党も同じように、それぞれが「これが日本にとって一番良い道だ」と信じる考え方を持っているのです。
私たちは普段、政治家が話す言葉やニュースに出てくる政策だけを見がちです。でも、その一つ一つの政策の裏には、その政党がどんな「立ち位置」に立っているのか、どんな「基本的な考え方」があるのかを知ると、日本の政治がもっと面白く、深く見えてきます。そして、どの政党が私たちの暮らしや日本の未来をどのように変えようとしているのか、よりよく理解できるようになるでしょう。
政治の「立ち位置」を表す言葉
これらの言葉は、簡単に言うと「社会をどう変えていきたいか」「何を守りたいか」という、政治的な考え方の「立ち位置」を表しています。
まずは右と左を覚えておこう。
まず、「右翼(右寄り)」「左翼(左寄り)」っていう言葉を理解しないと政治はおもしろくならないので、整理しておきましょう。
語源はフランス革命(1789年 一人七役・・)の時の議会で、旧秩序の維持を支持する勢力(王党派、貴族派、国教派など)のいわゆる保守勢力が議長席から見て右側の席を占め、旧勢力の排除を主張する勢力(共和派・急進派) のいわゆる革新勢力が左側に陣取ったことがはじまりです。ちなみにアメリカの2大政党は、トランプさんのいる共和党が保守(右・ナショナリズム)、バイデンさんのいた民主党が革新(左・リベラル)です。
下に2つずつ並べた考え方の上が「右寄り(保守的)」下が「左寄り(革新的)」なので、対比しながら見ていきましょう。
- 保守(右): 伝統や歴史、社会の秩序、これまでの制度や価値観を大切にし、急激な変化や改革には慎重な考え方です。
- 革新(左): 今あるものを変え、新しい社会を目指す。
- 右派(右): 「伝統や秩序を大事に、国は強く」という傾向。
- 左派(左): 平等や人権、弱者保護を重視。
- ナショナリズム(右):「自分の国が一番大事!」という考え方。「国」(国民、文化、利益など)を一番に考える考え方
- グローバリズム(左):国際主義(インターナショナリズム)。自分の国だけでなく、世界中の国々が協力し合い、助け合っていくことを大切にしようという考え方です。
- リアリズム(右):国家間の権力闘争を重視し、自国の国益と安全保障を最優先します。
- リベラル(左): 個人の自由と多様性を最も重視する。国際協力や法の支配を重視し、国家間の相互依存や国際機関の役割を強調します。(リベラリズム)
- 中道: 右と左のバランスを取り、現実的な解決策を探る。
これらの言葉は、政治のニュースや議論を理解するための大切なキーワードです。それぞれの言葉が持つ意味を知ることで、政党や政治がもっと身近に感じられるようになるはずです。
どの政党がどんな考え方をしているか見てみよう

各政党の考え方がわかると、もっと政治が見えてくる
それでは、日本の主な政党がどんな「立ち位置」に立って、どんな社会を目指しているのかを見ていきましょう。それぞれの政党のホームページや最新の公約、党首の発言などに基づいてまとめています。
自由民主党(自民党:保守、中道右派、左傾傾向)
自民党は、社会の秩序や伝統を重んじる保守的な考え方を基本としつつ、経済成長や国際協調も進める中道右派の立場です。国際社会との協調を重視しつつ、日本の国益や安全保障も強く意識するグローバリズムとナショナリズムをバランスさせた考え方を持っています。
国の財政については、景気回復や社会課題解決のためには積極的な投資(積極財政)も必要としつつ、将来的な財政健全化も目指しています。
立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)
立憲民主党は、個人の自由や権利を尊重し、社会の格差をなくすことを重視するリベラルな立ち位置です。
経済政策では、国民の生活を直接支援するため、政府が積極的にお金を使う積極財政の考え方を強く持っています。国際的な人権や環境問題への関心も高い傾向にあります。
日本維新の会(保守、右派、リベラル)
日本維新の会は、国民の自由を重んじ、行政の無駄をなくす規制緩和を進めるリベラルな側面と、自国を強くするという保守的な側面を併せ持ちます。
財政面では、国や政治の無駄をなくす緊縮財政的な姿勢を示しつつ、国民負担軽減のためには一時的な積極財政も辞さない柔軟な考えを持っています。
公明党(中道、保守)
公明党は、福祉や教育など、国民の生活に密着した政策を重視する中道的な立ち位置です。特定のイデオロギーに偏らず、国民の声を聞きながら、バランスの取れた財政運営を目指します。国際社会との平和的な関係を重視しつつ、日本の安定も図ります。
国民民主党(中道、保守、リベラル)
国民民主党は、個人の生活を豊かにするため、政府の積極的な役割(積極財政)を求める中道リベラルの立ち位置です。
特に、働く人々の所得向上を重視し、国民の生活に直接影響する「壁」の解消などを訴える点は、国民の期待に直接応える「ポピュリズム的」な要素も持ち合わせています。ナショナリズムとグローバリズムのバランスを取りながら、日本の経済的自立を重視します。
日本共産党(革新、左派)
日本共産党は、社会の格差をなくし、すべての国民が平等に暮らせる社会を目指す革新的な左派政党です。
経済政策においては、大企業や富裕層からの税金徴収を増やし、国が積極的に国民生活を保障する積極財政を強く主張します。国際的な平和と協力、人権を重視する立場です。
参政党(保守、右派)
参政党は、日本の伝統や文化を重んじ、国民の安全や利益を最優先する強いナショナリズム(国民主義)の傾向を持つ保守政党です。
グローバルな動きに対しては慎重な立場を取ることが多く、国の財政については、国民の健康や食の安全、教育といった国内の基盤強化に積極的に投資すべき(積極財政的)と考えています。
れいわ新選組(革新、左派)
れいわ新選組は、既存の社会システムでは弱い立場にある人々を徹底的に救済することを目指す革新的な左派政党です。
財政政策では、国民の生活を直接保障するため、極めて積極的な財政出動(積極財政)を主張します。社会の格差是正を強く訴え、国際的な自由貿易よりも国内の福祉を優先する傾向があります。国民の生活に直接響く政策を前面に出す「ポピュリズム的」な側面も強く見られます。
日本保守党(保守、右派)
日本保守党は、日本の伝統や国益を何よりも重視する強いナショナリズムを持つ保守政党です。グローバルな動きよりも、日本の独立性や文化、安全保障を優先する傾向にあります。
財政については、国防や国内産業の強化など、自国のために必要な投資(積極財政的側面)には前向きな姿勢です。
まとめ:政党の「右」と「左」を理解すると、政治がちょっと見えてくる
今回は、それぞれの政党がどんな考え方を大切にしているかを見てきました。政党によって、世界との関わり方や、国のお金の使い方、そして社会のどんな問題を一番に解決したいか、といった「立ち位置」が違うことが分かったのではないでしょうか。
もしかしたら、ある政党の考え方に「それはちょっと違うんじゃないかな?」と感じた部分もあったかもしれません。あるいは、「この考え方はいいな!」と思う部分もあったでしょう。
大切なのは、これらの政党が掲げる政策が、本当に私たちの暮らしを良くしてくれるのか、そして、もし実現したらどんな良いことや、逆に大変なことが起こるのかを、私たち一人ひとりが立ち止まって考えることです。
おまけ: ポピュリズムってほめ言葉?けなし言葉?
「ポピュリズム」というのも政治の世界でよく言われる言葉ですが、ほめてるのか、けなしてるのかよくわからない言葉ですよね。
政治家が「みんなの声が一番大事!」(一般迎合)「エリートや特権階級側じゃなく普通の人の味方だよ!」って強く言って、人気を集めようとするやり方でがポピュリズムです。
「普通の人々の感情に強く訴えかける」「シンプルで分かりやすい解決策を提示する」という、みんなの意見を吸い上げる良い面もありますが、話を単純にしすぎたり、社会が分かれてしまう危険もあると言われています。
ポヒュリズムを批判する人たちの言い分としては、ポピュリズムが排外主義や差別主義などの過激な思想と結びつくことで、ナチズム(ヒットラー政権はドイツ民族の復興、愛国心を高めることで国民の支持を得ましたが、排外主義や差別主義の思想が強くなり、ドイツ人至上主義やユダヤ人弾圧につながった)のような民主主義を脅かす考え方になる可能性があるとされていて、あまり褒め言葉としては使われないようです。
そのせいかどうか、特定の政党が自ら「私たちはポピュリストです」と名乗ることはありませんが、「普通の人々の感情に強く訴えかける」「シンプルで分かりやすい解決策を提示する」「『エリート』と『一般の人々』の対立を強調する」といったポピュリズムの特徴が、政策や発言から見受けられる政党はいくつかあります。
- 国民民主党:
- この党は、「国民の期待に直接応える」政策を重視しています。例えば、「103万円の壁」の引き上げなど、働く人々の手取りに直結する分かりやすいメリットを提示し、広く国民に呼びかける姿勢が、ポピュリズム的な要素を持っていると言われることがあります。
- れいわ新選組:
- 消費税の廃止や、全ての人に月10万円を支給する「最低所得保障」など、非常に直接的で、多くの人々の生活に大きく影響する政策を強く訴えています。既存の政治や社会の仕組みへの批判も明確で、「国民の生活を直接救う」というメッセージが、ポピュリズム的な側面として見られることがあります。
- 参政党:
- 「日本人ファースト」や食の安全、伝統といった、国民の多くが関心を持ちやすいテーマを明確に打ち出し、既存の政治やメディアに対する不信感を背景に支持を広げました。これも、特定の層の国民感情に強く訴えかける点で、ポピュリズム的な傾向があると言われることがあります。
- 日本維新の会:
- 「身を切る改革」として、政治家の給料を減らしたり、行政の無駄を徹底的に省いたりすることを強く訴えています。これは、「国民の税金を無駄にしているエリート」という構図を作り、「普通の人々の負担を減らす」という分かりやすいメッセージを出す点で、ポピュリズム的な側面が見られることがあります。
これらの政党は、それぞれのやり方で、国民の皆さんの心に直接訴えかけ、広く支持を集めようとしていると言えるでしょう。最近注目されてきた党が目立ちますね。


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