各政党の思想は声明を見ればわかる。あなたの考えと一致するのはどこ?
左派(革新)、右派(保守)、中道など、各政党の思想によって、戦争や未来に対する考え方がこんなにもちがうとはっきりわかるのが8月15日の終戦記念日に合わせて出される声明です。
もうみなさんのまわりで戦争を感じさせるものは無いかもしれません。戦争に行って戦った世代は、もう亡くなられている方も多いでしょうが、その子の世代、あなたのおじいさんのおじいさんやおばあさん(2025年現在で85歳から95歳前後)は、全員が子供の頃に戦争を体験していて、親や兄弟、友人を戦争で亡くしたという方も多くおられます。
その下の世代、2025年現在60歳から70歳前後くらいの世代では、戦争は知らないものの、神社などに行くと傷痍軍人(しょういぐんじん)といって手足の無い元軍人さんが白い服を着て、道端に坐って頭を下げて、物乞いをされている姿が見られましたし、おじいさんが戦争で亡くなったというような方も多いのです。
そんな戦争も終戦から80年の節目となり、各政党がさまざまな談話を発表されています。ここでは、要約したものを掲載しますので、興味が湧いてきたら各政党のページを見に行ってぜひ全文を読んでみてください。
1. 各政党の終戦記念日声明の要約
自由民主党
戦没者に哀悼の意を表し、二度と戦争を繰り返さないと誓っています。平和は自ら築くものであり、現在の平和と繁栄は先人の努力によるものだと強調しています。厳しい安全保障環境の中で、日本が「自由で開かれた国際秩序」を維持し、強化する必要があると主張しています。また、唯一の被爆国として核兵器のない世界を目指し、粘り強く現実的な取り組みを進めるとしています。
引用元:自由民主党 終戦記念日にあたって 党声明(自由民主党公式サイトより)
立憲民主党
戦争で犠牲になった人々に哀悼の意を捧げ、日本の侵略と植民地支配によってアジア諸国に与えた被害を深く反省すると述べています。平和国家としての歩みや、他国との友好関係を築く努力を恒久的な責任としています。平和を脅かすナショナリズムに警鐘を鳴らし、対話と国際協調による解決を重視しています。また、唯一の被爆国として非核三原則を堅持し、核兵器廃絶を訴えていくことを誓っています。
引用元:【代表談話】80年目の終戦記念日にあたって(立憲民主党公式サイトより)
日本維新の会
戦没者へ哀悼の意を表し、戦争の悲惨な経験を次の世代に継承する使命を強調しています。不安定な国際情勢の中で、「法の支配」に基づく国際秩序を維持する必要があると主張しています。平和を守るためには、平和をつくり維持するための「積極的防衛能力」が必要だと述べ、現実的な外交・安全保障政策を推し進めるとしています。
引用元:【戦没者を追悼し平和を祈念する日】吉村洋文代表による談話(日本維新の会公式サイトより)
国民民主党
戦没者や戦争被害者に哀悼の意を捧げ、戦争の記憶と教訓を次世代に継承する責任を強調しています。空襲被害者への一時金支給をめざすなど、戦争被害に向き合う姿勢を示しています。厳しい安全保障環境の中、力による現状変更を非難し、危機から国民を守るための「総合的な安全保障政策」を力強く進めると述べています。
引用元:戦後80年の終戦の日にあたって(談話)(国民民主党公式サイトより)
公明党
戦没者に哀悼の意を表し、戦争の過ちを二度と繰り返さないと誓っています。平和を脅かす分断や対立に対し、「対話を超えた協調」を掲げ、特に北東アジアでの対話と協力の枠組み(OSCEを参考に)を創設すべきだと提案しています。また、唯一の被爆国として核兵器に断固反対し、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を政府に求めています。
引用元:終戦記念日党アピール(公明党公式Xより)
参政党
戦没者を「英霊」と呼び、祖国と家族のために命を捧げたことに感謝と哀悼の意を捧げています。戦後の日本の繁栄は彼らの犠牲の上に築かれたものだと強調しています。日本の歴史を学び、グローバリズムの荒波を乗り越え、命を懸けて守られた「日本」を未来へ繋ぐことが使命だと述べています。「日本人ファースト」を掲げ、経済復興や防衛力強化、食料・エネルギーの自給力向上などを訴えています。
引用元:終戦80年談話(参政党公式サイトより)
れいわ新選組
すべての戦争被害者に哀悼の意を表し、当時の政治指導者の過ちによる植民地支配と侵略を厳しく批判しています。現在の軍拡路線や「戦争国家づくり」を強く非難し、米国との一体化や武器輸出に反対しています。軍事的抑止力はデタラメだとし、「軍事でなく外交」を柱とする予防外交路線を提案。あなたの生活と尊厳を守る政権の樹立を訴えています。
引用元:【声明】80回目の敗戦の日を迎えて(れいわ新選組公式サイトより)
日本保守党
大東亜戦争は欧米列強の植民地政策と日本の生存が原因であり、「日本だけが悪かった」という歴史観は正しくないと主張しています。日本の戦いはアジアの独立を促したと述べ、当時の首相や元大統領の言葉を引用しています。戦争の罪は償ったとし、今を生きる国民がその罪を背負う必要はないと主張しています。
引用元:戦後八十年に寄せて《談話》(日本保守党公式サイトより)
日本共産党
日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配で犠牲になった人々に深い哀悼の意を表しています。過去の歴史を国民共通の認識とし、未来へ継承する必要があると主張。憲法違反の「大軍拡」と「戦争国家づくり」を止めるために全力を尽くすとしています。外交による平和構築を重視し、過去の村山談話などの内容を継承するよう政府に求めています。
引用元:戦後80年にあたって
社会民主党
戦争で犠牲となったすべての人々に心から謝罪と哀悼の意を捧げ、日本の侵略と植民地支配を明確に認めています。平和憲法を掲げた日本が、再び戦争の時代を招来しないよう、憲法の理念を継承する必要性を強調しています。軍拡路線を強く批判し、「新たな戦前」を阻止すると訴え、核兵器の廃絶と核兵器禁止条約の署名・批准を求めています。
引用元:敗戦80年にあたって(声明)(社会民主党公式サイトより)
チームみらい
戦争で命を失ったすべての人々に哀悼の意を表し、戦争の悲惨な記憶を風化させず、平和主義を堅持する決意を表明しています。分断を煽らず、対話による相互理解を深め、未来の世代が安心して暮らせる社会を築いていくことを誓っています。
引用元:【終戦80年にあたって】(チームみらい公式Xより)
2. 各政党の姿勢 比較表でもっとわかる主義主張
もう少し細かく、歴史に対する認識や未来に向けてどうしていこうとしているのがをみていきましょう。
| 政党 | 歴史認識 | 安全保障 | 核兵器への姿勢 | 未来志向 |
| 自由民主党 | 過去の戦争を「悲惨な惨禍」と認識。二度と繰り返さないと誓い、国際秩序の維持を重視。 | 厳しい状況に対応するため、毅然とした外交・安保政策で「自由で開かれた国際秩序」を維持・強化する。 | 唯一の被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けた「現実的かつ実践的な」努力を継続する。 | 次の世代によりよい未来を繋ぐために、自らの手で平和を築いていく。 |
| 立憲民主党 | 日本がアジア諸国に与えた「侵略と植民地支配」を深く反省。国際協調と対話を重視。 | 「過度な保護主義」などに警鐘を鳴らし、国際協調と対話による解決を重視する。 | 唯一の被爆国として非核三原則を堅持。「核武装論」に明確に対抗し、被爆体験を継承する。 | 戦後の平和国家としての歩みを継承し、未来志向の友好関係を築く努力を続ける。 |
| 日本維新の会 | 戦争の悲惨な経験を継承する使命を強調。国際秩序維持の必要性を主張。 | 「積極的防衛能力」が必要と主張。法の支配に基づく国際秩序の維持・強化をめざす。 | 唯一の被爆国としての経験を次世代に引き継ぐ使命を強調。 | 戦争の経験を「平和を創り出す政策の土台」とし、将来にわたり戦争を繰り返さないと誓う。 |
| 国民民主党 | 戦争の記憶と教訓の継承を重視。戦争被害者への対応も訴える。 | 「力や威圧」による現状変更を非難。国民を守るための「総合的な安全保障」を推進する。 | 「恒久平和と核兵器廃絶」を綱領に明記。 | 戦争の記憶と教訓、恒久平和への願いを次世代へ継承することが「重い責務」だと強調。 |
| 公明党 | 過去の戦争を「過ち」と認識。対立を超えた協調を訴える。 | 「対立を超えた協調」を掲げ、北東アジア安全保障対話・協力機構の創設を提案する。 | 「核保有に断固反対」し、核兵器禁止条約への政府のオブザーバー参加を粘り強く訴える。 | 「平和創出ビジョン」を具体化し、「平和の心」を次世代へ継承する取り組みを推進する。 |
| 参政党 | 大東亜戦争は「不平等条約改正」の延長線上にある。先人に「感謝と哀悼」の意を示す。 | 「防衛力の強化」と「国家の安全」を揺るがす自給力低下を問題視する。 | 談話では核兵器に直接言及なし。 | 先人が守り抜いた日本を未来へ繋ぎ、子や孫が「誇りと希望」を持てる未来を切り拓く。 |
| れいわ新選組 | 植民地支配と侵略を厳しく批判。当時の政治指導者の誤りを指摘。 | 「軍事ビジネス」や「軍事抑止」を批判。米国との軍事一体化に反対し、予防外交を主張する。 | 核抑止論は「デタラメ」だと批判。「核戦争の危機」に警鐘を鳴らし、核軍拡路線に反対する。 | 「若い世代を核戦争や戦争ビジネスに差し出す」ことに反対し、新しい政権の樹立をめざす。 |
| 日本保守党 | 大東亜戦争は「日本だけが悪かった」という歴史観に反論。欧米列強の植民地政策が原因と主張する。 | 「自国第一主義」への台頭に対応するため、現実的な外交・安保政策を推し進める。 | 談話では核武装論について「非現実的な議論」と位置付け、反対する。 | 「未来の平和と繁栄をいかに構築するかを考える標」と位置づける。 |
| 日本共産党 | 日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配を明確に認め、過去の歴史を未来へ継承する。 | 「大軍拡」や「戦争国家づくり」に反対。「軍事でなく外交」を柱とする平和提言を掲げる。 | 被爆者の運動を評価。核兵器禁止条約の批准を求め、核戦争の危険性に警鐘を鳴らす。 | 平和と人権の尊重を世界の「本流」と捉え、歴史の偽造や差別・分断に反対する。 |
| 社会民主党 | 日本の侵略と植民地支配を明確に認め、心から謝罪する。 | 「新たな戦前」を阻止するため、憲法の理念を活かすことを訴える。「ミサイルよりコメ」。 | 唯一の被爆国として核兵器廃絶を訴える。核兵器禁止条約の署名・批准を求める。 | 「新たな戦前」を絶対に作らず、憲法の理念を政治に活かしていく。 |
| チームみらい | 戦争で人間の尊厳が踏みにじられたという認識。戦争の記憶を風化させないことを誓う。 | 「対話による相互理解の道」を探り、世代を超えて平和で安心して暮らせる社会をめざす。 | 談話では核兵器に直接言及なし。 | 子どもや孫の世代も平和で安心して暮らせる社会を国民と一緒に作っていくことを誓う。 |
あなたと考えの合う政党はどこか考えてみよう
各政党の考え方をグループ化して、右派的な考え方と左派的な考え方の区別もつけてみます。これで、あなたと考えの合う政党はどこか、合わない政党はどこかがもっと見えてくると思います。
歴史認識:過去の戦争をどう捉えるか
- 謝罪と反省: 立憲民主党、日本共産党、社会民主党は、日本の「侵略と植民地支配」を明確に認め、アジア諸国への謝罪と反省を表明しています。(左派の考え方です)
- 悲劇と継承: 自由民主党、国民民主党、公明党、日本維新の会、チームみらいは、戦争を「悲惨な惨禍」として捉え、その記憶と教訓を次世代に継承する重要性を強調しています。(中道の考え方です)
- 異なる歴史観: 日本保守党と参政党は、欧米列強の植民地政策やグローバリズムを背景に、戦争は日本の生存やアジアの独立のためであったという、独自の歴史観を主張しています。(右派の考え方です)
安全保障:平和をどう守るか
- 軍事力重視: 自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党、日本保守党は、厳しい国際情勢に対応するため、外交だけでなく軍事力の強化や「積極的防衛能力」の必要性を訴えています。(右派の考え方です)
- 非軍事・外交重視: 立憲民主党、公明党、れいわ新選組、日本共産党、社会民主党、チームみらいは、軍事的な解決を否定し、国際協調、対話、外交による平和構築を最優先すべきだと主張しています。(左派の考え方です)
核兵器への姿勢:核兵器をどう考えるか
- 廃絶と非保有: 立憲民主党、公明党、日本共産党、社会民主党は、唯一の被爆国として非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶を強く訴えています。公明党と社会民主党は、核兵器禁止条約への参加を政府に求めています。(左派の考え方です)
- 現実的な対応: 自由民主党は、核兵器のない世界を目指しつつも、国際情勢を踏まえた「現実的」な取り組みを強調しています。(中道の考え方です)
- 反論: れいわ新選組は核抑止論を「デタラメ」だと批判し、日本保守党は核武装論を「非現実的」と反対しています。
未来志向:今後の日本をどうするか
- 平和国家の継承: 多くの政党(自由民主党、立憲民主党、国民民主党、公明党、社会民主党、チームみらい)は、戦後の平和国家としての歩みを今後も継承し、対話と協調を通じて平和な未来を築いていくことを誓っています。(中道左派的な考え方です)
- 国家の再建: 参政党と日本保守党は、日本の「失われた時代」を乗り越え、経済や食料自給力、精神的な豊かさを取り戻すことで、「日本ファースト」の国を築き、次の世代に繋ぐことを目標に掲げています。(右派の考え方です)
- 変革: れいわ新選組は、戦争を回避し、国民の生活と尊厳を守るための新しい政権の樹立を訴えています。(左派の中でもより革新的な考え方です)


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