日本の政党が考える、税金と社会保険料の話

税金と社会保障

減税減税って選挙の時にみんな言ってたよね。

日本には様々な政党があり、私たちが国に払う「税金」や「社会保険料」について、それぞれ異なる考えを持っています。これらの違いは、政党がどのような社会を目指しているかを示すものです。

保守派と革新派の減税と社会保険料の考え方

政治の分野では、大きく分けて「保守的な考え方」と「革新的な考え方」という分類があります。一般的な考え方ですので、だいたいは保守は減税に慎重、革新は積極的という分類になりますが、立憲民主党(革新)は減税には消極的ですし、参政党(保守)は積極的など、政党によって真逆ということもあります。自分がどっちが正しいと思うかを考えながら各政党の主張をみていきましょう。

  • 保守的な考え方(右派)
    • 特徴:伝統やこれまでの社会の仕組みを大切にし、急激な変化よりも安定を重視します。経済面では、企業の競争力を高めることや、国の財政規律(借金を増やしすぎないこと)を重視する傾向があります。国民の「自助」(自分で努力して生活を成り立たせること)を促す視点も持ちます。
    • 税金・社会保険料への傾向
      • 減税:企業活動を活発にするための法人税減税や、広く経済を活性化させるための減税を重視します。
      • 社会保険料:制度の持続可能性を重視し、無駄の削減や効率化を通じて、世代間の公平な負担を追求します。時には、負担能力に応じた国民の負担増もやむを得ないと考えることがあります。
  • 革新的な考え方(左派、リベラル)
    • 特徴:社会の仕組みや制度を積極的に変え、より公平で平等な社会を目指します。弱い立場の人々を支援することや、貧富の差をなくすことを重視する傾向があります。政府の役割を大きくし、国民生活を保障することを重視します。
    • 税金・社会保険料への傾向
      • 減税:消費税など、低所得者ほど負担が重くなる税金の減税・廃止を強く主張します。同時に、富裕層や大企業への課税を強化することで、財源を確保しようとします。
      • 社会保険料:国民の社会保険料負担の軽減を強く求め、その分の財源は国費(税金)や、大企業・富裕層からの税金でまかなうべきだと主張します。社会保障の「給付」(受けられるサービス)の拡充を重視します。

各政党の具体的な主張

【税金(減税)について】

  • 自由民主党(自民党:保守、中道右派)
    • 定額減税を2024年6月から実施し、1人あたり年間4万円(所得税3万円、住民税1万円)を減らすことで、物価高に苦しむ国民の負担を軽減し、消費を促すことを目指します。
      これは、国民民主党が主張した103万円の壁とガソリン減税をほんの少しだけ飲んだかたちで、かえって税制がややこしくなり、減税効果は薄いという批判の声も上がっています。
    • 企業が給料を上げれば税金が安くなる賃上げ促進税制を毎年見直し、企業の投資や経済成長を後押しします。
  • 立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)
    • 物価高対策として、みんなが毎日払う消費税の減税または一時的(最大2年間)なゼロ化を主張し、早期の実施を求めます。
  • 日本維新の会(保守、右派、リベラル)
    • 政府のムダをなくす「身を切る改革」で財源を作り、その上で消費税も含めた幅広い減税を将来的な目標として掲げ、経済の活性化を目指します。
  • 公明党(中道、保守)
    • 子育てをしている家庭への支援を重視し、子育てや教育にかかるお金が減るような税金の仕組みを毎年の税制改正で提案します。
  • 日本共産党(革新、左派)
    • 消費税は廃止すべきだと強く訴え、早期の実施を求めます。その代わり、大企業がため込んでいる数百兆円とも言われる「内部留保」への課税強化などで財源を確保すべきだと提案します。
  • 国民民主党(中道、保守、リベラル)
    • 50年以上前に道路を整備する財源として3年間だけ徴収すると約束(当時の田中角栄首相)してずっとそのままになっているガソリン税の暫定税を廃止する(1リットルあたり約25.1円)べきだと主張して、自民公明との3党の幹事長が2024年12月に同意文書を作成しましたが、与党は「約束はしたが時期は書いていない」として実行されていません。
  • 参政党(保守、右派)
    • 政府のムダをなくし、その上で消費税の見直しや段階的な減税、最終的には廃止を将来的な目標として掲げ、国民の負担軽減を目指します。
  • 日本保守党(保守、右派)
    • 国民の生活を苦しめているとして消費税の廃止を明確に主張し、早期の実施を求めます。その財源は、徹底した行政改革で確保すべきだとします。
  • れいわ新選組(革新、左派)
    • 消費税の廃止を最も強く主張する政党の一つです。早期の実施を求め、国民の生活費の負担を大きく減らすことを目指します。
    • その財源は、国が国債(国の借金)を積極的に発行したり、富裕層や大企業への課税を強化したりすることでまかなえると考えています。

【社会保険料について】

  • 自由民主党(自民党:保守、中道右派)
    • 社会保障制度が将来も続くように、2022年10月から、一部の高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げるなど、世代間の公平な負担を目指します。
    • 2025年までに、すべての人を対象とする「全世代型社会保障制度」の具体化を目指し、持続可能な仕組みを追求します。
  • 立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)
    • 国民の社会保険料負担が重すぎるとして、その引き上げを抑えたり、国のお金(税金)で一部を肩代わりしたりすることを早期に実施するよう求めます。
  • 日本維新の会(保守、右派、リベラル)
    • 社会保障制度の抜本的な改革を進めることで、国民の社会保険料負担を「減免」することを強く訴えます。特に、年金の基礎部分を税金でまかなう「基礎年金の全額税方式への移行」を長期的な目標として掲げ、国民年金保険料(現在は月々約1万7千円)を払う必要がなくなることで、負担を大幅に減らすことを目指します。
  • 公明党(中道、保守)
    • 少子化対策のため、2026年度から「子ども・子育て支援金」を医療保険料に上乗せして集め始め、2028年度には年間約1兆円規模の資金で、子育て支援を強化します。
  • 日本共産党(革新、左派)
    • 国民の社会保険料負担を大幅に減らし、年金や医療の費用をもっと国のお金でまかなうべきだと主張し、早期の実施を求めます。
  • 国民民主党(中道、保守、リベラル)
    • 給料が増えても社会保険料で手取りが減る問題を解消するため、社会保険料の引き上げを抑えたり、所得に応じた再分配の仕組みを検討したりすることを継続的に目指します。
  • 参政党(保守、右派)
    • 将来世代にツケを回さないため、医療費や年金制度について、国民が本当に必要なサービスに絞り込むなど、より効率的で持続可能な制度への見直しを長期的な目標として掲げます。
    • 国民の所得のうち税金が占める割合を35%程度にすることを提唱しており(現在50%弱)、いろいろな種類の税金によって税負担が増えることを防ごうとしています。
  • 日本保守党(保守、右派)
    • 徹底した行政改革によってムダをなくし、国民の社会保険料負担も大幅に減らすことを目指します。これも長期的な改革目標として掲げられています。
  • れいわ新選組(革新、左派)
    • 社会保険料の国民負担を大幅に減らし、医療や介護、年金など社会保障をすべて税金でまかなうことを主張します。早期の実施を求め、国民の生活を保障する「国の責任」を重視します。
    • 現在の社会保険料の仕組みは、特に非正規雇用者や低所得者にとって重い負担となっており、これをなくすことで、誰もが安心して暮らせる社会を目指します。

まとめ

税金や社会保険料は、私たちの生活と国の財政に深く関わる重要なテーマです。各政党は、少子高齢化が進む中で、いかにして制度を持続させ、国民の負担を適切にするか、そして国民が安心して暮らせる社会保障をどう提供するかについて、異なるアプローチを提案しています。

保守的な政党は、経済成長や財政規律を重視し、企業の活力を引き出す減税や、制度の効率化・世代間の公平な負担を通じて社会保障の持続可能性を図ろうとします。一方で、革新的な政党は、国民の生活や格差の是正を重視し、消費税の減税・廃止や、富裕層・大企業への課税強化、社会保険料の国民負担軽減を強く主張します。

それぞれの政党の考え方や具体的な施策、そしてそれがいつから実施されるのか(あるいは目指しているのか)を知ることは、私たちが日本の未来について考える上でとても大切です。

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