「ヤングケアラー」は、最近広く知られるようになった問題です。
「ヤングケアラー」という言葉を、聞いたことはありますか? これは、まだ子どものあなたが、本当は親や大人であるべき家族の世話をしている状態のことです。 日本では、これまで「子どものお手伝い」として見過ごされてきたことが多かったため、この問題が広く知られるようになったのは最近のことです。
ヤングケアラーは、病気や障がいのある家族の代わりに家事をしたり、幼い弟や妹の面倒を見たり、家計を支えるために働いたりしています。 本来、子どもがすべきことではない家族の世話をすることで、自分の勉強や友だちと遊ぶ時間が減ってしまったり、心や体に大きな負担を抱えてしまったりすることが問題になっています。 このような状態は、子どもの権利や健やかな成長を阻害してしまうため、社会全体で支えることが重要だと考えられています。
2020年(令和2年)に厚生労働省と文部科学省が共同で行った調査によると、中学生では17人に1人がヤングケアラーであるとされています。 この数字は、みなさんの学校にもヤングケアラーがいる可能性を示しています。 この調査は、全国の中学2年生を対象に行われました。
出典:厚生労働省「ヤングケアラーの実態に関する調査研究(令和2年度)」https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000767891.pdf
出典:子ども家庭庁「ヤングケアラーの実態に関する調査研究(令和4年度)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16037.html
ヤングケアラーの支援をめぐる議論は、2010年代半ばから活発になり、2020年(令和2年)の調査をきっかけに社会の関心が高まりました。 その後、2022年(令和4年)には、こども家庭庁が発足し、ヤングケアラー支援を含む子どもや家庭に関する政策を一元的に担うことになりました。
ヤングケアラーについて最近話されていること
ヤングケアラーの問題は、社会全体の課題として捉えられ、さまざまな角度から議論されています。 特に注目されているのは、ヤングケアラーをどうやって見つけ出し、支援につなげるかという点です。 ヤングケアラー自身が「自分がヤングケアラーだ」と気づいていない場合や、周りの人に相談することをためらってしまうことが多いためです。
2024年(令和6年)3月26日に閣議決定された「こどもまんなか実行計画」の中には、ヤングケアラーの支援を強化していくことが明記されています。 この計画では、関係機関が連携して支援を行うことや、相談窓口の周知、そしてヤングケアラーの当事者やその家族への理解を深めるための啓発活動を進めることが重要視されています。
出典:こども家庭庁「こどもまんなか実行計画2025」
また、ヤングケアラーの支援を強化するために、家族のケアを専門とするヘルパーなどの専門職と連携することや、学校や地域社会が協力して支援を行うことの重要性も議論されています。 支援が必要な家族全体を支えることで、ヤングケアラーの負担を軽くすることが目指されています。
各政党のヤングケアラーに関する政策
ここでは、各政党がヤングケアラー問題に対してどのような考えを持ち、どのような政策を掲げているかを見ていきましょう。 各政党の考え方や主張は、最新の各政党ホームページの政策や公約、党首の発言、ニュース記事などを参考にしています。 各政党の考え方を見て、自分の考え方に合う政党はどこかを選んでみましょう。
自由民主党(保守、中道右派、左傾傾向)
自由民主党は、ヤングケアラー支援に積極的に取り組む方針を示しています。 こども家庭庁が推進する支援策を具体的に進め、学校、医療機関、福祉機関が連携して、早期発見と支援につなげる体制づくりを重視しています。 具体的には、全国の教育委員会や学校に対して、ヤングケアラーを把握するための研修や調査を促す取り組みを行っています。 2023年(令和5年)11月28日に厚生労働大臣は、「ヤングケアラー支援体制強化事業」の取り組みを全国で進めていく方針を述べています。
立憲民主党(革新、中道左派、リベラル)
立憲民主党は、ヤングケアラーの問題を、個人の問題ではなく社会全体で取り組むべき課題と捉えています。 支援の対象を拡大し、ヤングケアラーだけでなく、その家族全体を支えるための総合的な支援策を提唱しています。 具体的には、ケアの専門家を派遣するサービスや、ヤングケアラーが安心して相談できる窓口の設置を訴えています。 2024年(令和6年)3月14日に行われた国会での質疑では、ヤングケアラー支援の重要性について、政府の取り組みを促しています。
日本維新の会(保守、右派、リベラル)
日本維新の会は、ヤングケアラー支援において、既存の制度を有効活用しつつ、より実効性のある支援体制を構築することを重視しています。 家庭の経済状況に関わらず、支援が必要な子どもが十分なサポートを受けられるよう、民間サービスやNPO法人との連携を強化することを主張しています。 2023年(令和5年)の党の政策集には、ヤングケアラーが抱える学習の遅れや孤立を防ぐための対策が盛り込まれています。
公明党(中道、保守)
公明党は、ヤングケアラーの問題について、早期発見・早期支援の必要性を強く訴えています。 特に、学校を拠点とした支援体制を強化し、教職員がヤングケアラーを早期に発見できるよう研修を行うことや、専門の相談員を配置することを提案しています。 また、地域に根ざした支援を推進するため、民生委員や児童委員と連携し、地域全体でヤングケアラーを支える仕組みづくりを目指しています。 2024年(令和6年)5月31日に、公明党の竹内譲政務調査会長がヤングケアラー支援の強化について言及しています。
国民民主党(中道、保守、リベラル)
国民民主党は、ヤングケアラーの支援を、家族の状況を総合的に把握した上で、個別のニーズに応じた対応をすべきであると考えています。 具体的には、ヤングケアラーが抱える様々な問題(学業、進路、精神面など)を解決するために、個別の支援計画を作成し、関係機関が連携して支援を行うことを提唱しています。 また、ヤングケアラーの家族が利用できる社会福祉サービスを拡充することも訴えています。 2023年(令和5年)12月14日に、国民民主党の玉木雄一郎代表が、ヤングケアラー支援の重要性について国会で発言しています。
日本共産党(革新、左派)
日本共産党は、ヤングケアラーの問題の根本には、家族のケアを担う社会保障制度の不備があると主張しています。 家族が十分な公的支援を受けられるよう、介護・障がい者福祉サービスや、医療・子育て支援の充実を求め、ヤングケアラーを生み出さない社会を目指しています。 2024年(令和6年)5月13日に、日本共産党は「子どもの貧困とヤングケアラー問題の解決へ」と題した政策提言を発表しています。
参政党(保守、右派)
参政党は、ヤングケアラーの問題を、家族の絆を大切にする日本社会のあり方を考慮しながら解決すべきであると主張しています。 ヤングケアラーが家族を支えることを「美徳」として捉えつつも、その負担が過度にならないよう、地域コミュニティやボランティアの力を活用した支援を重視しています。 具体的には、ヤングケアラーが学べる場所や、安心して過ごせる居場所づくりを推進することを掲げています。
れいわ新選組(革新、左派)
れいわ新選組は、ヤングケアラーの問題は、社会の不平等が原因で発生していると捉えています。 公的な支援を大胆に拡充することで、ヤングケアラーの負担を根本からなくすことを目指しています。 具体的には、介護や障がい者福祉サービスを大幅に拡充し、家族がケアの負担から解放されることを訴えています。 2024年(令和6年)5月17日に、れいわ新選組の代表がヤングケアラー支援の必要性について発言しています。
日本保守党(保守、右派)
日本保守党は、ヤングケアラーの問題を、家族の在り方と向き合い、家族の絆を損なわない形で解決すべきであると主張しています。 政府の過度な介入ではなく、地域の伝統やコミュニティの力を活用して、家族が孤立しないような支援を重視しています。 具体的には、地域の子ども食堂や居場所づくり、ボランティア活動の促進を通じて、ヤングケアラーを支える仕組みづくりを提唱しています。
まとめ: ヤングケアラーと私たちの未来
ヤングケアラーの問題は、決して他人事ではありません。 日本に住む子どもの17人に1人がヤングケアラーであるという現状は、私たちの社会が抱える大きな課題です。
国や政党は、それぞれの考え方に基づいて、この問題の解決に取り組もうとしています。 大切なのは、私たちがこの問題を自分自身の問題として捉え、何ができるかを考えることです。
あなたは、ヤングケアラーの問題を解決するために、どの政党の考え方が最も共感できますか? そして、その考え方を実現するために、どんな行動を起こすべきでしょうか? あなたの1票が、未来を変える力になるかもしれません。


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